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読書記録まとめ

2024年8月に読んだ本

読了

 8月に読んだ本は、22冊でした。

 

2024年8月に読んだ本
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さみしい夜にはペンを持て (一般書 431) [ 古賀 史健 ]​ 私てっきり『眠れぬ夜にはペンを持て』というタイトルだと思っていた。 そして、『メモの魔力』的な、書けない人のための書くこと(日記・記録)のビジネス書なのだと本を開いてびっくり。 寓話的な、物語。 舞台は、海の中の中学校。 上がり症ですぐに顔が赤くなるタコジローは、クラスになんとなく馴染めていない。 体育大会の選手宣誓に名前を挙げられた次の日、学校へ行きたくなく、サボってしまう。 そんなとき出会ったヤドカリのおじさん。 おじさんは言う。 おしゃべりと書くことの違い。書くことの意味。 しかし公園には「不審者注意」の看板が立てられ、SNSにはヤドカリのおじさんの写真がアップされる。 警察に追われるおじさん。 タコジローの選択はーーー。

「おじさんはね、こんなふうに思うんだ。なにかを継続させようとするとき、ぼくたちの心を支えてくれるのは『成長している実感』じゃないのかって」 「成長している実感?」 「ああ。先月の自分より、ちょっと『できること』が増えている。先週の自分より、ちょっとうまくなっている。きのうはできなかったことが、できるようになっている。そういう成長の実感があってこそ、ものごとは長続きするんじゃないかな」

こういう「利害関係のない第三者の年長者」との関係性のお話が好きなのですが(『君たちはどう生きるか』もそうですね)、これもその形態のお話でした。 中高生におすすめしたい。もちろん大人にも。 読み終わったらめちゃくちゃ日記書きたくなると思う。笑 やどかりのおじさんは、書くことは考えることだと、タコジローに告げる。 自分の謎を解くために、自分を知るために、自分を好きになるために。 自分という名のダンジョンを冒険するために、自分が何者なのかわかるために、自分を探検する。 読者は何よりも「自分自身」であるのだと。 私もずっと日記をつけているけれど、それはどちらかというと行動記録(ログ)というもので、この本で言うような「自分との対話」としての日記は、ブログの記事が近い。 読み返すと、「え、こんなこと考えていたんだ」と驚く。 考えが浅いと感じるところも、そんなことまで考えていたのかと感じることもある。 読みやすい文章で、著者を見るとアドラーについて対話形式で書いて大ベストセラーになった『嫌われる勇気』の著者だった。 そしてこれ、イラストもとっても可愛い。 章ごとの見開きページは文字組もインパクトがあり美しくて素敵。 お盆に久しぶりに会う親戚の中高生や大学生にプレゼントであげるのにも良いなと思った。

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クロワッサン学習塾 謎解きはベーカリーで (文春文庫) [ 伽古屋 圭市 ]​ シリーズ2作め。文庫本書き下ろし。 視点の切り替えがわかりにくいのと、筆者が名前を変えて作中に登場するのが「うへえ」となった。 小学校教諭をやめ、実家のパン屋を継いだ黒羽三悟。 息子の同級生がパンを万引きしたところから、パン屋の定休日に無料の学習塾「クロワッサン学習塾」を始めた。 前作は、家庭環境が厳しい子、ディスレクシアの子が出てきた。 今回は、「学校の授業カリキュラムに馴染めない子」が新キャラ・頼人で登場する。 好きな歴史以外に興味がなく、算数はからっきしだめ。 しかし父親は不登校を経て独学でプログラミングを学び会社経営者になった人物で、詰め込み式の現在の学校制度をまったく信頼しておらず、「学校には通わなくていい。勉強は必要性を感じた時点で学べばいい」というスタンス。 いっぽうの母親は、将来子どもが困ることを考え、「とりあえず学校に通い、落ちこぼれない程度に勉強してほしい」と言う。 夫妻からジャッジメントを求められた三悟は。

おっしゃるとおり、我慢は必要です。でも、むしろいまの子どもたちは我慢ばかりを強いられていると思いませんか。校則もそうですけど、毎日学校に行って、決められた順番で、決められた教科を勉強して、決められた時間に食事をして、家に帰ってまで宿題をさせられて。ほんとすごいなと、小中高と、ほんとみんなよく我慢してるなって思います。 考えてみれば、ほとんどが大人の事情、社会システムの都合ですよね。一年間で決められた学習とちゃんとこなせるなら、べつに学校に行かなくても、好きな時間に、好きな順番で、好きなように勉強したっていいはずです。好きな時間に食事をしたっていいはずです。

そして三悟は、一度挫折(不登校)を経ないとほかの選択肢が考慮されない今の状況はおかしい、と告げる。 そのうえで、頼人に尋ねる。どうしたいか、と。 現行の教育制度、本当に違和感がある。きもちわるい。 そこに馴染めないのもわかるし、馴染めなかった子どもだった。 でも今は放っておいてくれないんだろうな、とも思う。私の子供の頃以上に。 それは、許されないんだろうな。 NHKの朝のラジオで、高校3年生で野球をやっている孫が、最後まで試合に出してもらえなかった、この子の頑張りは無駄だったと投稿している祖母がいた。 ラジオパーソナリティの方はずっとサッカーをしていたそうで、「僕も試合に出られなかった。でもチームのために頑張ったことは、今の自分を作ってくれている」と溢れる言葉を抑えるようにして話していた。 オリンピックで「今までの頑張りは無駄だったのかなって」という言葉を聞いて胸が痛くなる。 私はだから、オリンピックを見るのが嫌いなのかもしれない。 娘にラジオの話をしたら、「ほんにんにきいてみたら?」と言っていた。 それを決めるのは、自分だ。 紆余曲折経ても、今は分からなくても、結果意味なんてなくても。 それが自分の人生だと受け入れられるようになるまで。

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低コスト生活 がんばって働いている訳じゃないのに、なぜか余裕ある人がやっていること。 [ かぜのたみ ]​ Youtuber本。 私こういうYoutube見ないので、動画を知らずに本から知る。 家賃5万、水道光熱費・通信費が9000円弱、食費4000円弱、交際・娯楽費が3000円弱、服飾・日用品費が0円で、月に7万くらいで暮らしてらっしゃる。 …えー??!!! ってならん?食費4000円?霞食ってんの? 冷蔵庫・エアコン・電子レンジもない。 日の出とともに起き、日の入りとともに眠る(冬は19時)みたいな暮らし。 (ご本人は会社員は辞められて、今は動画配信(ラジオ配信)やSNSだけで生活してらっしゃるよう。) すごい。仙人やん。 食費は、スーパーで野菜、卵、果物くらいしか買わず、ふるさと納税など基本的な食材(米、味噌、煮干し)で賄っているようで、「ということは動画配信が結構儲かっていて、それなりの額を納税しているんだな」と思ってしまった(やらしい)。 しかしその日々の献立や買い物の仕方は載っていなかった。 どういう生活をしたら低コストで生きられるか、というノウハウが学べる本かと思ったら、全体としてマインドの方の話が多めの本でした。 お金の使い方なあ。 私、基本が吝嗇家なのでめちゃくちゃケチるんだけど、人に関することはばーんと気前よく使っちゃうタイプ。見栄っ張りというか…。 商売をする家で育ったので、「人に振る舞う」ことに重きを置いてしまう。 別に自分はサラリーマンやねんから、そんなことしなくてもいいのに! この本では、「月前半は使わない、月後半に豪遊式」という方法を紹介している。 家にあるもので過ごす→月後半の楽しみを計画→お金を使い始める→豪遊 と、1週間ごとに予算内で楽しむという感じ。 いいなと思ったのが、「なんとなく」買い物したりお茶したりするのではなく、月の前半はそのイメトレに励み(今あるもので試してみたり、シミュレートしたり)、月の後半で実行に移すというところ。 計画的だし、月の後半のために前半も楽しくて素敵。

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レイアウトは期日までに [ 碧野 圭 ]​ 27歳、無職ーーーめぐみは先月、卒業以来働いてきた中堅出版社・佐川出版の契約社員の職を、デザイン部署閉鎖で打ち切られたばかり。 さらに大家には、隠れて買っていた拾い犬・胡桃を、処分するか、出来ないのなら今月中に出ていくようにと通告される。 そんなとき、友人がSNSの求人情報を教えてくれた。 なんと、あの天才的なブックデザイナー・桐生青が、事務所から独立したばかりで一緒に仕事をしてくれる人を募集している! ダメ元でメッセージを送っためぐみは、あれよあれよと言う間に犬も連れて住み込みのアシスタントのような仕事を始める。 新進気鋭の装丁家は、締め切りは守れない、対人関係は壊滅的、けれど抜群にセンスは良い。 はちゃめちゃな彼女のために、何とか仕事を進捗管理し、新規案件を獲得しようと奮闘するめぐみ。 しかし、桐生青は彼女を「ごはんも作ってくれる秘書」のようにしか思っていないと知りーーー。

「めぐじゃないとダメ」 それを聞いて、めぐみは涙ぐみそうになった。だが、笑顔を浮かべて言う。 「はい、私も青さんがいいです」

ここだけ↑見ると、「これなんて百合?」となるんだけど(最初私は青という名前から男性だと思っていたのだが女性です)、いやもう百合でよくないですか!シスターフッドですか! 2時間ドラマとか月9ドラマみたいなノリなので、最後まで楽しく読めました。 私は世の中に馴染めなくて傷ついた天才✕己の存在意義に悩みながらサポートする(それ自体が稀有なことであると気付かない)凡人、という組み合わせが大好物なので、大変おいしく頂きました。 いきなり同居だしね。ホムワト的なね。シャロジョンだよね。 青がヨガ雑誌の新しいロゴを考えて、「ほめてほめて!」というみたいにめぐみに見せるところとか、可愛すぎる。 私の脳内では、ドーベルマン✕トイプードルみたいなイメージだったので、表紙はちょっと逆かなあ…。 167頁「忙しさの山陽」は「山場」の誤字だよね?そういう単語あるのかと二度見した。 202頁の「栴檀は双葉より芳し」がわからなくて、調べたら「せんだんはふたばよりかんばし…香木に使われる栴檀は、芽生えたときからすでに芳しい香りを放っている。のちに大人物になるような人間は、子供のときから人並み優れた素質を見せることをいう。」(イミダス)ですって。 あと215頁の先輩女性を褒める「家庭もあり、子どももいるが、仕事の方も手を抜かずにずっと頑張ってきた。」っていう文が、一見は褒めているようだけど、その実かなりディスられているように感じたんだけど、私が捻くれ過ぎているんだろうか。この人は、家庭があって子どもがいたら仕事の方は手を抜くのがデフォルトやと思ってるんやろか。 巻末には本文、カバー、帯、表紙、別丁扉の用紙一覧があるのが、本の中身とリンクしていて面白かったです。 へえ、これそういう名前の紙なんだ!とか、この紙を選んだのにも理由があったんだろうな、たくさんの人がこの本を作るのに携わったんだな…と感じました。 本に関する小説やエッセイが大好きなので、図書館・書店・作家などを題材にした物語はとってもワクワクするのですが、今回は装丁家。なかなか知ることのない世界なので、舞台裏を覗くようで面白かった。 著者は出版社勤務経験があるから、この本の内容をリアルにご存知なんだなあ。 紙の本のパーツひとつひとつに意味があると思うと、また愛おしくなるね。

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ともぐい [ 河崎 秋子 ]​ 第170回直木賞受賞作。 タイトルから、てっきりドロドロな昭和不倫モノだと思っていて(なんでやねん)、読み始めてまさかの明治後期の「クマVS人間」小説だと知って驚く。 読み始めわずか開始2Pで時代背景と内容紹介を把握できる構成なので、親切。 よく見れば、表紙の絵も熊の手?をアイヌ文様のような柄で描いている。 帯に「新たな熊文学の誕生」ってあるんですが、なんやねん熊文学て。 シートン動物記くらいしか知らんねんけど。 猟師に拾われ、育てられた「熊爪」。 時代から取り残された男は、ひとり狩りをし、草を摘んで暮らす。 ある日、熊爪は怪我をした男に行き合う。 男を襲ったのは、冬眠をせず人里を荒らす「穴持たず」の熊だった。 その熊を仕留めようとする熊爪だったが、山の王者の風格を持つ熊が、「穴持たず」を屠る。 両者の戦いに際し、負傷した熊爪は、不自由な足で猟師としての生き方を賭け王者との対決を待つーーー。 最初の熊、次の熊との戦いがあり、皮や野草を売りに行く人里の町での話があり。 最後は、熊爪が町から攫うように連れてきた目の見えない女・陽子と熊爪の、山のあばら家での「人と人」の戦いになる。

「どこまでも行け。どこででも死ね」

私は、町の長者である良輔の、どうしようもなく壊れた感じが好きだった。 彼の餞の言葉は、祝福と呪い。 そこまで述べられてきた熊の生態や物語が、熊爪と陽子、人と人に重ねられる。 世は日露戦争を迎えている。あらがえない時代の流れ。採集生活、自由の終焉。 どこまでも行くことも、どこででも死ぬこともできない世界がやってくる。

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一線の湖 [ 砥上 裕將 ]​ 『線は、僕を描く』の続編。 水墨画に出会った大学生が、水墨画家を目指すまで、が前回のお話。 今回は、「魔女の宅急便」でいうと、箒で飛べなくなったキキ。 描くことがなまじ出来るようになったが故の、葛藤の物語。 表紙の絵から、アニメ「境界の彼方」のEDを連想し、読んでいる間、頭の中でこの曲が止まらなかった。 小学生の子どもと触れ合うところなど、「ばらかもん」(これも墨で描くね)を彷彿とさせるところもあったんだけど、この小説に出てくる子どもはきれいな記号のような存在だなとも思った。 章立てがすっぱり収まっていて、たいへん読みやすくはありました。 1章ごとに場面転換される舞台のようというか、白い幕が降りてくるようだった。 著者が水墨画家ということもあり(すごいよね)、身体感覚としての水墨画を、読者として追体験できる。VR感。 ここが、「やったことのある人」と「見て(聞いて)書いている人」の違いなんだろうか。 不思議だなと思うのが、水墨画は白黒で描くのに、色が見えるというところ。 そしてそれを、絵はないのに文字で伝えることで、白黒の水墨画を脳内に描き、それに色が見えるという三重構造になっていて、これもひとつの画像生成AIで、人間の脳って複雑なことが出来るんだなということ。 そこから風が、匂いが、音が、やってくる。 文字が、描く。線が、描く。 そこにある世界。ここに今、ともに生きているもの。

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ぼくは青くて透明で [ 窪 美澄 ]​ イエローでちょっとブルーなんかと思うタイトル。笑 これはもうBL。少女漫画BL。 なので、そういうノリが苦手な人は無理だろうと思った。 母に去られ、父に去られ、義理の母と暮らす高校生の「海」。 彼は転校先で早々にイジメの対象になる。 しかし意に介さない彼は、マラソン大会の途中、クラスの人気者・忍を助け、キスをしてしまう。 彼女がいた忍だったが、海が好きだと告白しーーー。 1章ごとに視点が変わる(海ではじまって海で終わる)。 忍✕海かと思って読んでいたら、どうも途中から海✕忍だった。 運命のあなた。 こういうきれいな純愛ロマンスは好きなのだけど、世間や状況の変化に抗えず壊れていく「運命だと思ったひと」と結ばれない話も好き。 この話の登場人物だと、海の育ての親である美佐子さんがいちばん好きかな(『そして、バトンは渡された』みたいだけど)。 海の父・緑亮が倒れたことにはいったい誰が気づいたんだろう?職場の人が救急車よんだんかな?

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1億円の貯め方 貯金0円から億り人になった「超」節約生活 [ 絶対仕事辞めるマン ]就職氷河期になんとか決まった正社員での就職。 しかし初日に確信する。ここは、ブラック企業だーーー。 定年までの懲役40年、職場という「刑務所」から逃げられるのか。 生きるか死ぬかの超節約&投資生活が始まる! という、著者の21年にわたる資産一億円までの道のり。 ふつうの給料で、それでもここまで節約を徹底して、投資をしていけば、「一億円」ってほんとに貯まるんだ…。 ちなみにこの方、一億円達成後も働いてらっしゃる。「貯金の最良の使い道は精神安定剤」だという。 ​

1000万円の貯蓄で「死にたい」と思わない。 5000万円で「本当に会社を辞められる」安心感。 一億円で「もう、お金で悩まなくて済む」という解放感。

​ ここ、「死にたいと思わない」っていうのが強烈。 そこまでの覚悟があったからこそ達成できたんだろう。 私はすぐに「頑張って働いて生きてるんだからこれくらい良いか!」とパーッと使っちゃうんですよね…。 「億り人」になったあとも、節約生活を続ける著者。 生活費は株主優待で賄われるほど。 (最後のここらへん、桐谷さんぽくなってた。優待長者になると、みんな桐谷さんになるのか…?笑) 私もFIRE出来るように頑張ろう!と思うんだけど、なかなかな。 資産がある程度形成されると、複利で貯まるスピードが上がる、という著者の言葉を信じて、コツコツやるしかない。 新NISAは積立投信に突っ込んでいて、厚切りジェイソン方式で複利を信じとにかくひたすら積み立てていくことを心に決めていたんだけど、この間の暴落で「◯%以上は利益確定、確定した金額を再度時期を分散して投資」のほうがよいのか、迷いが生まれている。 ほったらかしのiDeCoはなんだかんだ複利で利益が上がっているから、そっちが正解なのか?!わからん。

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放課後ミステリクラブ2 [ 知念実希人 ] 本屋大賞ノミネートされていて読んだ1作目の続編。 児童書なので薄くて文字も大きく、挿絵もたくさん。 今回も「読者への挑戦状」があり、ワクワク。 雪の上に描かれたミステリーサークル。 まわりには足跡もない。 一体誰が、何のために描いたのか? はやめの44頁で「ピラフの味が薄い」が出てきた瞬間に「ああ、これは給食の塩を使ったんだな」とわかってしまったんだけど、これは私がその知識を持っていたから分かったこと。  ​

​「だから推理はおもしろいって言ったでしょ。そして、理科で習うことからミステリーサークルのナゾがわかったみたいに、名探偵はいろいろなことを知っておかないといけないのさ。だからぼくは学校の勉強をいつもがんばっているんだ」

​ 天馬が言うように、さまざまなことを学ばないと、世界の謎を解き明かすことはできない。 あとがきでも、著者(医者でもある)が、今学校で君たちが勉強していることはいつか役に立つんだよ、と話す。 こういうあとがき、良いですよね。 昔の児童書のまえがきやあとがきって、著者からの手紙の封をそっとあけるような、時を超えた親しみと、著者との間に交わされる秘密の約束があった。 君たちに、伝えたいことがある。 どうか忘れないで。覚えていて。

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バッタを倒すぜ アフリカで (光文社新書) [ 前野ウルド浩太郎 ]​​ 面白かった〜!!!私的★5。 『夜は短し歩けよ乙女』の森見登美彦氏が好きな人は、絶対好きと思う。 砂漠にバッタのコスプレで、タイトルは倒置。なかなかトバシた装丁である。 新書なのに 608pもあって(分厚っ)、なかも写真やグラフがカラー刷りでふんだんに使われていて、それで1,650円(税込)は安すぎではないか。 著者は、1980年秋田県生まれ。大発生しては農作物を喰い荒らすサバクトビバッタを追いかけるバッタ博士。「前野ウルド浩太郎」のミドルネームは、研究地モーリタニアで授けられたもの。 知らなかったのだが、前著『バッタを倒しにアフリカへ』(2017年)の続編でした(児童版『ウルド昆虫記 バッタを倒しにアフリカへ』もあります)。 前著知らなくても読めるんですが、もっとこの人(と周りの人)のことを知りたくなったので、読んでみようと思う。 今回の内容は、 第1章 モーリタニア編ーバッタに賭ける 第2章 バッタ学の始まり 第3章 アメリカ編ータッチダウンを決めるまで 第4章 再びモーリタニア編ーバッタ襲来 第5章 モロッコ編ーラボを立ち上げ実験を 第6章 フランス編ー男女間のいざこざ 第7章 ティジャニ 第8章 日本編ー考察力に切れ味を 第9章 厄災と魂の論文執筆 第10章 結実のとき となっています。 「いや、別に昆虫とか興味ないんで」という人も、エピソードが面白すぎて600頁読み切っちゃうこと間違いなし!

この本は、すなわち、異世界転生モノ的に、アフリカのバッタの繁殖行動を明らかにしようとする研究者の活動話を大黒柱とし、それを「婚活」「仕事」「旅」という裏話の三本柱で支えたものである。 すでに壮絶にバランスが悪く、崩壊しそうな建てつけになっているが、そこは著者と編集者の腕の見せどころである。どのようにバランスをとりながら本書が綴られるのか、ハラハラしながらお楽しみいただきたい。

現地での文化の違い、人との出会い。研究の苦労。 読んでいるうちに、サバクトビバッタ、フィールドワーク研究の仕方や論文の発表方法、モーリタニアや他の国での文化交流理解、…と楽しみながら諸々の知識を身に着けてしまう恐ろしい本。 自分の好きなこと(=サバクトビバッタ)の話だけ専門的にしていても、一般の人は聞いてくれない、ということをよくわかっていて、無駄話をぶっこみまくっている。 私が一番「すげぇ」と思ったのは、第7章がまるごとモーリタニア現地でのお抱えドライバー「ティジャニ」について書かれた章であるということ。 ティジャニのことが気になりすぎて「前著も読むぞ」と心に決めたよ。 この人のパーッとお金を使っちゃうところ(前著の印税で、バッタオペラに出資、秋田の学校に自著を寄贈、新型コロナでステイホームするためにティジャニにお金を渡す…)すごいなと思う。 それがまた、有益なお金の使い方、ひととつながる使い方で、いいな。 クラウドファンディングで研究費集めたら集まっちゃいそう。 私の「バッタの襲来」のイメージといえば、ローラ・インガルス・ワイルダーの『大きな森の小さな家』シリーズに大量のバッタが農作物を食い尽くすという場面。 幼心に恐怖を覚えたあの光景。 最近読んだ(最近?と自身の時間間隔が空いていることを感じる) 2022.09.08「231.香君(上)西から来た少女 [ 上橋菜穂子 ]」 2022.09.11「233.香君(下)遥かな道 [ 上橋菜穂子 ]」 も蝗害の話だった。 私はずっと「イナゴ」の害だと思っていたのだけど(イナゴという種類のバッタみたいなのがいるんだと思っていた。蝶と蛾みたいに)、著者はイナゴとトビバッタが異なることを力説する。 混み合いに応じて生理的特徴変化させる「相変異」を示し、大群で移動するものがトビバッタ、示さないものをイナゴ(単なるバッタ)というのだそうだ。 へええ。 そういえば、理科だか生物だかで、「群生相」「孤独相」って習ったなあ…と遠い記憶を呼び起こす。 教育って大事だよね。「知ってるか、知ってないか」(習ったことがあるか)って大きいもの。 研究生活の集大成である論文執筆に、義務教育のありとあらゆる科目が役立っているというところも、ぜひ児童版を第二段も出されたら入れていただきたいところだ。

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そう来る? 僕の姉ちゃん [ 益田ミリ ]​ コミックエッセイ。 何冊か出ている「僕の姉ちゃん」シリーズのようで、それを知らずにこれから読んで、「姉ちゃんのこと好きになれねぇ…」となりました。 圧倒的光属性、ポジティブシンキングの権化。自己肯定感の塊。生きてるだけで丸儲け。 私がこのひとの弟だったら、「自分はネガティブ沼にハマっているのに、なんで姉ちゃんは…」とジト目で見てしまいそう。

「大人になるってことはさー もう自分は何者にもなれないんだってことをしみじみ感じることでもあるのだよ」 「え、じゃあ逆に大人ってすげーって思うことは?」 「本屋さんに行くじゃん? 棚の間を歩いている時 ここにある本どれ買っても一応読める って思うといつもカンドーする」

自分が好き。文句ある? という態度の姉ちゃん。 そっちに行きたいんだよな。 そうして生きたいんだよな。 今あるものを認めて、ここにあるものを褒め称えて、自分スゴイ!私エライ!ってよいしょして。 でもそれが出来ないから、永遠に出来ないから、私は私でもあるのだよ。

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放課後ミステリクラブ3(動くカメの銅像事件) [ 知念実希人 ]​​ 2024年本屋大賞第9位受賞児童書のシリーズ第3段。 イラストたっぷりでさらっと読める、子どもにおすすめのミステリ入門書。 今回は動くカメの銅像事件で、早々にトリックがわかってしまった。 で、この「トリックがわかる」というのは、私が大人になって、いろんな知識を身に着けたから「ピンとくる」のだと思ってちょっと感慨深かった。

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放課後ミステリクラブ4(密室のウサギ小屋事件) [ 知念実希人 ] 同シリーズ第4段。 今回は密室トリック。 しかし、うーん。手品のような反射を利用したトリックなのだけど、ウサギ小屋に入ったときにうさぎが物音を立てたりするんじゃない?と思ってしまった。

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ポンコツ4児母ちゃん、在宅で働いたら月収100万円になった! [ なごみー ]​ インスタで月収100万円、という本。 うーむ。「私こういうのきらいやねんな」、という自分の中の考えを再認識した。 何が嫌なんだろう、と思う。 この人は自分が試してよかったものだけをフォロワーに紹介していて、それで「いいな」「〇〇さんがおすすめするなら」とフォロワーが購入して、別に誰も損してないからええやん、という話なんだけど。 コンテンツを作成して(この人の場合は整理収納ハウツー)、それは結局、アフィリエイトするためのものだというところが一番「いや」だと思うのかなあ。 しかし、フォロワー(閲覧者)のことを考えて発信するというのは勉強になる。 私のブログの驚きの見にくさよ。自己満足乙。 読書記録は、前のように1冊1記事のほうが読みやすいし、検索でもヒットしやすいんだろうなと思う。 でも面倒でついまとめちゃうのよね…。 楽天ブログだと「ページ内リンク」が出来ないから、「◯月に読んだ本」でまとめても、その本にダイレクトにアクセス出来ないから不便。 ちなみに楽天にほんブログ村も、最近「広告を見ないとページ閲覧できない」という仕様に変更され、めっちゃイラッとくる(笑)。 念の為申し上げると、私には1円も入ってこないんですよ。 無料で使わせていただいているサービスだから文句言えないと思いながら、「でもなあ」と思う。 自分に関係のある広告が表示されるとかなら、「クリックしちゃう」こともあるでしょう。 しかしエロ漫画とか怪しい健康食品とかばっかり表示されるとね…。

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何かをやりとげたいと思った、70歳の日本一周の旅 [ 阿波周作 ]​ 70歳、獣医師。 夢だった「日本一周」を叶えるため、北九州から中古車でひとり、旅に出る。 父の仕事で転々とした子供時代の幼馴染。 大学進学のため上京し、共に学んだ日本各地から集まった同級生たち。 仕事で知り合った先輩や恩人。引っ越していった近所の人。 津々浦々の知人を訪ね、温泉に入り、城をめぐり、美味しいものを食べる。 そして旅の中での、新しい出会い。 淡々とした「記録」のような内容。 章ごとの扉に日本地図が載っているので、どこから来て、今どこだというのを図示したらよかったのに。 ルートがよくわからなくなるところがあった。 ひとりで旅をしているので、愛車に話しかけているのが可愛らしかった。 船が苦手だから自分は飛行機で沖縄へ行き、車はフェリーで渡るのだけど、再会したときに「げっそりしていた」と車の様子を描写しているのが素敵すぎる。 最近、こういう「元気なシニア」が日々生活し、学び続け、夢を叶え…という本を読むのにハマっている。 しかしながら日本一周!うらやま!! 巻末に総決算として、かかった金額(230万円;車の購入費用含まず)・日数(175日;76日は沖縄に滞在)、走行距離(16,708km)のまとめがある。 (ちなみに沖縄長期滞在中はローソンでバイトしてみてんの!すごない?旅行を終えて、この本を執筆するために再度沖縄を訪れて、またローソンでバイトしてんの!!) どうですか、これ。 頑張れば、いけんことないよね。 1日2万円弱。 年金はどうなってるかわからんから、投資でそれだけ利益が出せたら、出来るんだなあと思うと、途端に楽しくなる。 まあ今の私には、「時間」のほうが問題なんだけど。 下の子(小学1年生の息子)が、大学(18歳)に入るまであと12年。 私は50になっている。 そこまでいけば、子どもにかかるお金もある程度見えている。 親の介護が始まっているかもしれないけど、自由もきく。仕事をやめていればね! そこをひとつの区切りとして、以後は自由に生きる人生もありじゃない? 世界一周もしてみたいが、お金がもっとかかる。 でも元気なうちしか出来ないよねえ。 「出来ない理由が金なら借金してでもやれ」って言うもんな(言わん?)。 今できることとして、「妄想日本一周」はありじゃないか。 ここに行こう、あそこを訪れよう。季節は、ルートは。 その妄想に12年かけるのも、楽しみじゃないかと。笑 しかし、著者は「人と人とのつながり」がすごい。 私のようなぼっち族は、訪れていく人もいない。 一人楽しすぎるぜ!だから、苦にはならないのだが、自分が逆立ちしたって叶わない人生の終盤を見て、「そういう生きかたもあったのかもしれない」と思う。 人と関わるのしんどくて無理なんだけど。

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女の国会 [ 新川 帆立 ]​ あとから見れば、表紙が全ネタバレだったんだなと。 ぶりっ子のワガママ二世議員・国民党の朝沼侑子ーーー通称「お嬢」が、青酸カリを服毒して死亡した。 直前に言い争いをしていた民政党の高月馨は、世論からバッシングを受ける。 はたして彼女は、高月の言葉を苦に自殺したのか? そこへ毎朝新聞者の記者・和田山怜奈が、朝沼からメールから送られてきたという遺書の写真を持って現れる。 「女に生まれてごめんなさい。」 拙い字で綴られた言葉の真意はーーー。 政策担当秘書(高月の秘書・沢村)→政治記者和田山)→地方議員(朝沼に声をかけられてO市議会に出た間橋)→議員(高月) と、章ごとに語り手が変わる。 その誰もが女で、「女であること」への抑圧と生きにくさを感じている。

自分は首相になれないって、どうして思ったんだろう。女だから?政治家の家系じゃないから?人生はあと何十年もあるのに、どうして最初からあきらめていたんだろう。 日本で女性首相が生まれたことはない。(略) これがどれだけ異様なことか、気持ちの悪いことか、どうして今まで気づかなかったのだろう。 女は怒っていい。こんなのおかしいと言っていい。 百年後の女の子たちには、「そんなひどい時代があったのか」と驚いてほしい。その頃にはきっと、今よりマシな現実があるはずだから。

172頁で種明かしが始まるのだけど、ここまで全然気づかなかった。 残り頁を思わず確認しちゃったもんね。間に合う?!って。 ミスリーディング。以下ネタバレ。 朝沼の遺書と見られたものは、婚約者である三好顕太郎の手記だった。 アメリカで生まれ育った顕太郎は、幼い頃から自身の性に違和を覚えていた。 しかし日本で政治家をする父には、もちろん受け入れられない。 そしてアメリカで起こった地震。 母は、死んだ双子の兄・顕太郎と、生き残った双子の妹の入れ替えを思いつく。 それから「顕太郎」として、男として生きてきた「彼女」。 トランスジェンダーが、首相になることは出来ない。 一生隠し通そうと思った秘密。自分を偽って生きる苦しさ。 戸籍ごと「男」になっても、健康診断とかその他諸々はどうやって突破したんだろうか…。 さらにいくら双子でアメリカで離れて暮らしているとはいえ、自分の息子と娘が入れ替わっているのに気づかないってあり得る??? と、ツッコミどころはあるんだけど、顕太郎に対して「こいつも男だしな」と感じていた怒りとかって、その人の側の問題を「男である」という見かけの属性で無視していたよな、と思った。 それは「女である」に向けられるものと同じではないのか。

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読んでばっか (単行本) [ 江國 香織 ]​ 江國さんの書評を集めた本。 ひとの書評を読むのは(お気に入りの作家さんの書評を読むのは)楽しいのだけど、今回はあんまり面白くなくて流し読み。 原因を考えると、「その作者」「その作品」の紹介が多くて、「知らない友達の話」「内輪ネタ」を延々聞かされているような気がした、からかな。 書評は、結局「その人がその本を読んで感じたこと、思ったこと、見た景色、想起された記憶」を読むのが楽しいのであって、本のあらすじはざっくりでいいんだよな…。 この本で一番興味深かったのは、冒頭の江國さんへのアンケート「どうやって本を読んでいますか」。 本屋で本を選び、電子書籍は利用せず、家の外で一人でいる時間は寸暇に読み、毎日2時間入るお風呂で読み、本は複数冊並行読みではなく一冊ずつ読む。 その人の「本の読み方」って、知りたい。

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しんがりで寝ています [ 三浦 しをん ]​ 雑誌「BAILA」掲載のエッセイまとめ第2段(第1段は『のっけから失礼します』)。 いやもう、笑っちゃうんよな。ぶふっと吹き出してしまう。電車で読んだらあかんで。 著者も単行本化にあたり補足加筆していて書いてらっしゃるのだけど、コロナのときのことって隔世の感があるよね。 「そういえば、そんなことあったなあ」っていう。 今思えば嘘のようなあれやこれや。 個人的には、映画のピカチュウの実物大ぬいぐるみを購入し、愛でまくる日々を楽しく読みました。 自分さえ楽しけりゃいいんだよ!文句あるか!

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うまいダッツ [ 坂木 司 ]​​ 全員が何かしらの部活に入らないといけない。 駄菓子好きが集まった「おやつ部」のメンバー4人は、「うまい棒1本で世界の秘密がわかる」という謎の男をショッピングセンターで探すことに。 「日常の謎」系のミステリというよりは青春物語。 うまい棒チロルチョコ、バカウケ、ブルボン、マリー。 1つずつ物語に「あれね」という庶民的なおやつが登場する。 私はブルボンとマリーが食べたくなりました。 スタバ好きの先輩が、コンセプトや店内装飾も含めて好きなのに、周りからはチャラチャラしていると思われて「嗤われる」と感じていることについて、「概念のおっさん」というのを持ち出して説明するのが面白かった。

自分にはわからない楽しいことを見つけて、好きな気持ちを思いっきり出せるものと出会って羨ましいーーーだから妬んで、馬鹿にして下に見ることで安心したい。

あとは、「型」の話もよかった。 型に則って行動するのが好きな後輩。 モーニングルーティン(朝の手順)も決まっている。 テンプレート、マニュアル。それが悪いのか? そのとき、発達障害のあるコウが言う。

「俺は人づきあいが下手で、空気を読むことが苦手だ。(略)だから間違いたくないときは、マニュアルに従って会話をすることがある。でも人間相手だし、そこからはみ出るイレギュラーな会話は必ずある。ただ、セラの言うようにマニュアルという軸があるからこそ、それがイレギュラーだとわかるんだ。マニュアルがなければ、俺にはそれがイレギュラーかどうかの判断がつかない。だから型っていうのは基本軸であり、検知器みたいなものだと理解した。(略)検知器は、善悪の判断をしない」

これ、めっちゃわかるんよ。 子どもの頃の私が切実に望んでいたことは、「世界のマニュアル」を手に入れること。 たくさん本を読んで、まわりを観察して、今ではだいぶたくさんのマニュアルを手にしたけど、圧倒的な現実世界での経験不足により、日々苦労している。 細切れのペラペラの、パンフレットみたいなマニュアルがいっぱいあるねんな。 それを毎回、誰かと相対するときに自分のライブラリから「あれどこだっけ」と探して出してきて参照しながら喋ってるんですよ。 それをケース・バイ・ケースと呼ぶのだと信じて。 しかもそれ、IKEAの取説みたいなやつやから、「…っていう感じなのかな?」とテンプレート(図解の絵)を解釈しながらやってるんで。 疲れるんだよね、人と接すると。 相手の表情や反応で、「このマニュアルで良かったのか」「これで正解だったのか」を常に答え合わせしながら、「こう来たらこう返す」の次の一手を探しているから。 相手が返してきた言葉や、「?」という顔で、自分の言動がその状況での「間違い」だったことがわかるので、いい年して恥ずかしいし、処理落ちでどうしていいかわからなくなるし、「もういやだ」ってなる。 どれだけやっても、足りない。永遠に世界のマニュアルは手に入らない。 もうこんなことを続けるのは嫌だ。疲れたよパトラッシュ。 でもさ、善悪ではないんだよな。うん。

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われら闇より天を見る [ クリス・ウィタカー ]​​ 2023年「本屋大賞」の「翻訳小説部門」1位の作品。 ようやく読めました。 表紙から宗教的な内容を想像していたけど、違った。 母譲りのうつくしい容姿と歌声を持つ13歳の少女、ダッチェス。 彼女は精神的に弱い母・スターに代わり、5歳の弟ロビンの世話を一手に引き受けている。 すべての始まりは、30年前のケープ・ヘイヴン。 スターの妹であるシシーが、車に跳ねられ死んだ。 犯人は、スターのボーイフレンドだったヴィンセント・キング。 そしてスターの母は自殺し、スターは壊れてしまった。 15歳で刑務所に入ったヴィンセントが、出所してくる。 ヴィンセントとスターの幼馴染である警察署長のウォークは、彼を出迎えるがーー。 痛々しい。 世界と戦う少女の物語。 『赤の大地と失われた花』『自由研究には向かない殺人』を思い出した。 殺人事件が起こり、また過去の事件についても「誰が真犯人なのか?」を警察署長といっしょに追いかけていく。 アメリカを移動するロードムービーもあり、法廷ドラマの場面もあり、いろんな要素が入っていて重厚。ちなみに本編503頁。 途中ミスリーディングがあって、「え、信じていたのに、お前が犯人だったのか?」という場面もあり、最後にすべてが明かされて「えーっ!!」となる。 長いけど、続きが気になってぐいぐい引き込まれ、一気に読んでしまった。 帯に「長い戦いの果てのラストの一行の衝撃」とあったのだけど、最後に「ああ、最初のあの家系図の話はここにつながるのか」と分かった。 欠けている部分を探し、解けて絡まった糸を結び直す物語だったのだと。 読み終わったあとにまた最初から読み直したくなる。 冒頭に戻ると「ああ、だからこの人は、こういう行動をしていたのか」がわかってまた面白いです。

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家族全員自分で動く チーム家事 [ 三木智有 ]​​ 「チーム」(子どももいちおう入っているけど、ほとんどは夫婦)でいかにして日々を乗り切るか、というマインドセットの本。 解決すべきはワーキングマザーではなく「ワンオペ状態」である、という著者の言葉に納得。 制度、サービス、それが問題か?と思っていた。 だれか1人がそれをやらなくちゃいけないことが問題なんだよね。 我が家は今、夫が時短勤務(退勤前30分)を取得し、学童のお迎えに行っている。 夫は通勤時間が私(1時間)の半分だから、なのだけど、はじめ「男が時短勤務なんて取れるわけない」と言っていたのに! で、何が一番「私」ひとりの問題から「ふたり」の問題になったか(いかにして当事者意識が芽生えたか)というと、私が昇進して係長になり、物理的時間的に「無理」になったから。 私が「やらなく」「やれなく」なった。 そうするとどうしても夫は「やらざるを得ない」状況になった。 今や私より当事者(担当)意識があり、相対的に私の意識が薄れて怒られるという始末。 家計も家事も、我が家は担当制。 夫は子どものお迎え、私は買い物をして料理を作る。 夫は洗濯物を干し、私は皿洗い。 夫は子どもの宿題チェック、私は寝かしつけ。 というように、「自分が得意なこと(私はチェックなどが苦手)」を受け持つようにしています。 そのほうがストレスないからね〜。 子育てをしている間は、「時間が夫婦の共有財産になる」というのは、言葉にされるとハッとした。 だから片方が垂れ流しに使っているとムカつくんよな。 1人24時間じゃなくて、「2人で48時間」という認識。 昔は自分が家事をしているときにスマホしている夫に苛ついてたけど、はじめ「〇〇しなきゃ〜」と口に出して夫に「やろうか?」と言わせようとしていたけど、いまや勝手にやってくれるようになりましたよ。すげえ。 スイミングの帽子に昇級バッジ縫い付けなくちゃ〜と思っていたら夫がチクチクし始めたときとか、顎外れそうになったわ。 大事なことは、「自分が全部を背負わない」ことだと思う。ほんま。 相手も大人やで。できへんことなんか絶対ないからな。 むしろ自分より得意なこともいっぱいあるから。 この本で紹介されていた、LINEの「リマインくん」。 友だち登録して、「これこれをいついつにリマインドして」と送ると、その日のその時間にLINEでメッセージ送ってくれるんですよ! 私すぐに忘れちゃうから、これを未読のまま置いておけばTODO代わりになる。 さっそく友達登録しました。 あと、問題解決のための議論のスタンスとして、「妻VS夫」ではなく、「妻・夫VS問題」と考えること、というのは気をつけたい。 ついつい「どっちに理があるか」勝負になっちゃうもんね。

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書店員は見た! 本屋さんで起こる小さなドラマ [ 森田 めぐみ ]​ 転勤族の夫にともない、各地で書店員として働く著者の「本屋あるある」。 もとは雑誌「サンキュ!」に掲載されていたエッセイ。どうりでやたら「サンキュ!」が出てくると思ったぜ。 この方、コミュ力の塊で、アパレル店員のようにお客さんに本をすすめまくる。 それだけすすめられる幅広い読書ジャンルと、読書量もすごい。 読んでみたくなるもんね。 私の「死ぬまでにしたいこと」リストには、「本屋で働く」もある(「図書館で働く」もある)。 やろうと思えばすぐ出来るっちゃできる(今の仕事辞めたらね)んだけど、いつかやるのかな。 先日、年輩の方に好きなことはあくまで趣味としてやって、仕事はお金を稼ぐ手段と割り切るほうがよいと言われたけど、どうしても「それを仕事として体験してみたい」。 自分で言ってて思ったけどリアルキッザニアやん…。 楽しくないなら、「楽しくない」を経験したいんですよ。 わからないまま終わる、そんなのは嫌だ。 うちのコは、保育園で「食事(おやつ)のあとは読書」という習慣を身に着けたので、「ごはんのあと」は必ず本を読んでいます。 でもね、学習まんがとかコミックしか読んでない。笑 それでも本というものを手に取らないよりマシか、と浴びるように漫画読ませてるんですが。 小3の娘は先日「約束のネバーランド」を読み終わりました。 鬼が人を食べる世界で、食用児として生まれた子どもたちが、「鬼に食べられない世界」を目指す物語。 私はこういうクローズドな空間(塀などで囲われている世界)から抜け出して、世界の秘密を解き明かす物語(「進撃の巨人」「No.6」「新世界より」)が好きなんですよね。 「約束のネバーランド」は、憎悪の連鎖をいかに断ち切るかということを「むずかしいな」と娘は感じたそう。 結局、たくさんの考え方とか感じ方に触れてほしいわけで、それが小説じゃなく漫画でもいいか、と思ってます。

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2024年7月に読んだ本

読了本

 2024年7月に読んだ本は、24冊でした。 「あんまり今月は読んでへんな〜」と思っていて、後半どどっと読んだ感じ。 鈴木おさむ『もう明日が待っている』は、SMAPを題材にした小説だったんだけど、なんか訳わからんくらい泣いてる自分がいた。別に大してファンでもないのに。「その時代を生きたことを思い出す」感じがする。みんなこれ読んで何を思い出すんだろう、と思った。 あれから僕たちは、何かを信じてこれたかな。 香山リカさんの『61歳で大学教授やめて、北海道で「へき地のお医者さん」はじめました』は、すべての「新しいことに挑戦したいけど、もういい年だし」と思っている人の背中を押してくれる本。おすすめです。 ​
精神科医はへき地医療で“使いもの”になるのか? 私の転職奮闘記 [ 香山 リカ ]​ 「その後」にあたるのかな?新刊も出たのでこちらも読みたい。 井上夢人『プラスティック』は、古い本でも面白さは色褪せない、と感じた一冊。 こういう本がきっとたくさんあるんだろうなあ。 古典の名作も同じで、古びない面白さ、良さがあるのだろう。 そこまで手が回らない現状。 1日が倍になったら、あとの18時間くらい本を読んで、あと6時間は寝るかな。笑 以下は、各週に書いていたレビューのまとめです(加筆修正なし、番号だけ途中ずれていたので直しました)。

2024年7月に読んだ本
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“経歴よわよわ”な私の働きかた戦略 「ちゃんとした自分」をあきらめたら、年収が上がりました。 [ こむたろ ]​​ こういう本を読むと、いつも「ダメダメな自分が〜とか言っている人がダメダメじゃない件」について異議を申し立てたくなる。 ホワイト企業に入社→社員5人の会社に転職→専業主婦(受託業務)→年収750万で就職… といろいろな働き方をしてきた著者。 スキルあるじゃん!めっちゃ仕事できるんやろほんまは?!と思ってしまう。 いろいろワークが入っていて、 「なぜ嫌なのか」を書き出す→裏返す(どうしたいのか) というワークは役に立ちそうだなと思った。 あと、

いきなり「仕事ができるスゴイ人」になるのはむずかしいのですが、 「めんどうくさくない人」なら、まだ目指しやすい。

というのは納得。 私めっちゃくちゃ面倒くさがりだし、基本他人のことがどうでも良すぎるんですよね。 だから、お昼ごはんで「今日〇〇なんだ〜」とか話しかけられるの、マジムリ。 え、あんたに私の昼ご飯の内容関係なくない?把握せんといてくれへん?ほっといて? もちろん相手の昼ご飯とはまったく興味ない。何食べてても自由やろと思う。 という態度がもう万事においてそうなので(これをコミュ障といいます)、「ノマちゃんは同じ部署で働いているのに何年経っても仲良くなれない」と評判です。 という話を夫にすると「それがな、人と人とのコミュニケーションっていうやつやねんで…」とぬるい眼差しを向けられた。 (「そっちから僕に話しかけてくるっていうことは、僕のこと大好きってことなんやな〜」「は?」) 妹がADHD診断受けるのに心療内科にかかっていて、先生が「コミュニケーションの不具合を過去に学んだ経験や他人の応対方法の知識から引用して処理しているから、経験したことがない場面が苦手で、バックグラウンドで非常に高速に情報を処理しているから、日常生活を送るだけで疲労困憊する」と話をしていたそうだ。 わかる…。 妹と二人で「これって何なんやろうな?ほかのひとはそうじゃないんか?」と頭を捻る。 (私は本を読むことでこの「経験則」を積み重ねて、妹はSNSをめっちゃ見ることで積み重ねている) ちなみに、「私はこんなに頑張っているのに!!」という怒りも感じやすいのだそうだ。自戒。 結局、インストールされている場面にしか対応できないから、そうじゃない場面に遭遇しないようにしている、ということでもあるよな…。 つまりは怖い、ということ。 子供の頃から「ちょっと変わっている」と言われ続けて、それは「対応できない場面」があるからで、だからこそ「対応できる場面」にしか対応しないようにしているというのがある。 昨年度、まったく違う環境に置かれて、大事なのは「はったり」なのだと気づいた。 「は?お前が間違っているが何か?」みたいな態度でいることが大事なんだ…。笑

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バレットジャーナル 人生を変えるノート術 [ ライダー・キャロル ]​​ バレジャバレジャ言うてるわりに原案者の本を読んでいなかったのです。 (だってこの表紙、怖くない?スピリチュアル感出してきてて) Youtubeでご本人の動画を見て、「行けそうな気がする」とついに原作本を読みました。 結果、読んで良かった。というかこの本だけ読んでたら他はいらん気がするし、日本で発展して膾炙している「バレットジャーナル」って最早別物なのでは? だってこんだけ日本で出版されてきたバレットジャーナル本を読んできたけど、初めて知ることがいっぱい書いてあったんだけど。原典に。 「うまく機能しない脳をスムーズに動かすために自力で編みだした、数々の松葉杖のようなもの」 「現在進行形の自伝」 「人生の記録をつけることで、僕たちは将来、参照できる資料をつくっているのだ。自分の選択と行動が記された資料の宝庫を。」 こういった言葉でバレットジャーナルが語られる。 バレットジャーナル・メソッドの方法論ももちろんなのだけど、自伝的な内容も織り交ぜられていて、「時間」と「人生」について述べた本でもある。

Q あまり器用じゃないし、絵もうまくないんですが、それでもバレットジャーナルができますか? A はい。BuJoで大切なのは、その内容です。見た目は関係ありません。

まさにこれよな。真意は。 デイリーログも、著者はスペースを定めないで書いていくべきだと言っていて、そうだよね。日によって書く量が全然違うもん。 きれいに作られたフォーマットに違和感を覚えるのは、「いやそれ、バレットジャーナルの意味なくない?」と思うからなんですよね…。 生きるのに苦労しているメンバーの、「何とか生きていくため」の工夫が見たいんよ!

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メモで自分を動かす全技術 [ 高田 晃 ]​​ 20歳のときに書店でたまたま手に取った熊谷正寿『一冊の手帳で夢は必ずかなう』から、手帳使いに目覚めた著者。 現在は『My手帳倶楽部』という会員制学習コミュニティを主宰。 この本は、様々な手帳術の本をまとめた網羅的なまとめ本。 御本人は今、メモ帳・アイディアノート・手帳の3冊を使ってらっしゃるそう。 …持ち歩くの大変そう…。 でも確かに、手帳ってメモページに限りがあるから、メモやノートって別持ちのほうがいいのかなあと感じている。 この本でも、エビングハウス忘却曲線(学習後の経過時間と、忘却度を示したグラフ)が紹介されている。 ビジネスに復習が必要なのは、復習する人がいないからというのは「なるほど」と思った。 勉強は「復習しろ」と言うけど、ビジネスは言わないよねえ。 著者は、メモのストックをノートへ転記する「清書ノート」を作っているのだけど、これは「復習」にあたるのだそうだ。 で、思ったのが「バレットジャーナル」の「マイグレーション」(移動)も、「振り返り」(リフレクション)という言葉で表現されているけど、この「復習」だよなということ。 あとは、自由に発想するのにA3ノートを使うというところで、今私はA4コピー用紙をメモに使っているけど、A3でもいいんだよなと気付いた。 (会社にはあるけど、自宅には置いていないのが難点。すぐに手に入ることって大事)

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もう明日が待っている [ 鈴木 おさむ ]​​ 子育てエッセイとかだと思って読んだら、全然違ってびっくりした。 放送作家として見てきた「SMAP」を描いたノンフィクション・フィクションだった。 著者紹介で2024年3月31日に放送作家を引退されたと知る。 すごいなと思ったのが、この本には一度も「SMAP」っていう名前が出てこない(出せないのかもしれないけど)。 具体的な名称が出てこないのに、「あの番組(SMAPSMAP)だ」とか、「あの歌だ」ってわかる。 壮大なほのめかし小説。 20年以上、デビュー当時から解散までずっと彼らを見てきた放送作家の、暴露本。 なんかね、私、別にすごいSMAPのファンだったとかじゃないんですよ。 でも二次元にしか興味がない私が、唯一メンバー全員の名前を言える「ジャニーズ」のグループがSMAPだった。 年上のお姉さんたちが大好きな、かっこいい年上のお兄さんたちのアイドルグループ。 しんごくん、ごろーちゃん、キムタク、なかいくん、つよぽん。 私でも知っている超有名な彼ら。 綺羅星のような存在。 だから、SMAPが解散すると知った時はそれなりにショックだったし、スマスマの解散放送も見た。 それで今、この小説を読んでいたら、なんかね、涙が出てくるの。不思議なことに。 あのとき私も、そこにいたんだ、という場面がたくさんあって。 同じ時代を生きてきたんだ、と思って。 改めて表紙を見て気づく。 ああこれは、5人の5色。 ひとつの花。 ナンバーワンにならなくてもいい、と歌った彼らの。 本を閉じて、裏表紙の花は。 たんぽぽの綿毛のように、バラバラに飛んでいく場面を描いている。 3つの丸は重なったまま。 読み終わって、無意識に「夜空ノムコウ」を口ずさんでいた。 娘に「それ、何の歌?」と訊かれる。 アイドルの歌、と答える。 むかしの、超有名な、アイドルの歌だよ。

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ちょっぴりながもち するそうです (MOEのえほん) [ ヨシタケ シンスケ ]風が吹けば桶屋が儲かる」じゃないけれど、自分のなかのマイナスな気持ちが、どこかで世界とつながって、すこし良いものになるという内容。

さびしい気持ちでいっぱいになると 地下深くの水晶が10倍のスピードで成長するそうです

ヨシタケシンスケさんの大人向け絵本って、みんな同じ内容のよう。 でもそれでいい。それがいい。 今読んでいる対談本にヨシタケさんが出ていらして、「人生を楽しむのが下手チーム」とおっしゃっていて、それをずっと言っているんだと思った。 繰り返し繰り返し、言葉を変えて。 私はヨシタケさんが大人向けに描いた絵本を読むと、このうたを思い出す。

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ざんねん? びっくり! 文房具のひみつ事典 [ ヨシムラマリ ]​ 児童向けだけど、面白かった。 「今の鉛筆はナポレオンのムチャぶりから生まれた」 「羽根ペンの羽は生きた鳥から引き抜いて作ってた」 「昔のインクはすごい酸性で紙もペンもすぐボロボロになった」 「鉛筆削りの普及のウラには悲しい事件があった」 「あなたが想像するガムテープはたぶんガムテープじゃない」 「ふせんのはしっこに色をつけているのは日本だけ」 「昔はただの針をさして紙をとめていた」 「針なしのステープラーはじつあhけっこう昔からあった」 「かつてそろばんつき電卓という謎の合体アイテムがあった」 文房具好きはこういう小ネタ、好きだよね?ね? 楽しいよね〜文房具…笑。

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正解のない雑談 言葉にできないモヤモヤとの付き合い方 [ 大平 一枝 ]​ 努力してもままならないことがあると悟るところから本当の人生が始まる(飛田和緒・料理家) 自己肯定感が低い自分と機嫌よく付き合っていく(山本浩未・ヘア・メイクアップアーティスト) つねに自信がない不安思考と折り合っていく。自分のトリセツの作り方(ヨシタケシンスケ・絵本作家) 孤独や言葉にできないというのは、心当たりのある感情(川内倫子・写真家) 自称「生き方ベタ」な自分を俯瞰する(岡本雄矢・歌人芸人) 悩みはなくならない。だから弱音を呑気に言える人間でありたい(三浦直之・劇作家・演出家) 自分がいつも、いちばんの親友(高橋百合子・イーオクト株式会社代表取締役) ここからの人生は、ひとりよがりでいこうと決めた(谷匡子・挿花家) 愛すべき孤独。寄り添うべき孤独(ちがや・ChigayaBakeshopオーナー) さまよう時間が自分を下支えする。「積ん読」だけの本でもいつか自分を耕すことがある(辻山良雄・書店「Title」店主) 世界はなんて広いんだ。ひとりぼっちがたくさんいる!(三國万里子・ニットデザイナー) 名もなき感情にラベルを貼ってしまうのは、もったいない(星野概念精神科医) 感情が自分の真ん中にちゃんとあるか(石井ゆかり・ライター) 『東京の台所』の大平さんが13人と対談したもののまとめ本。 ヨシタケシンスケさんとの対談が一番「ああ、そうなんだ」と思った。

二重の驚きがありました。そういう弱さみたいなものは、けっこうたくさんの人たちの根っこにあるんだな、ビクビクしているのは僕だけじゃないんだなという発見。もうひとつは、他の人たちはそういうものをちゃんとアップデートして乗り越えておとなになっていくけど、僕はその土台の部分にずっといるんだなという驚き。

ヨシタケシンスケさんの作品が好きで、よく読む。 そこにある「だめなお前でいいんだよ」という肯定に対して、それを皮肉って「だめなままじゃだめなんだろうけどさ」と自嘲するような、「でも無理なもんは無理じゃね?」と笑い飛ばすような雰囲気を感じていた。 大平さんは、それを「ネガティブを肯定した上でのポジティブ」と呼ぶ。 ヨシタケさんは世界に対する違和感を拭えないままおとなになった人なんだな、と思う。 この世界に対する新鮮な驚き。目にするものすべてが不思議に思えた日々を忘れないまま。あたりまえに流れていく世界で、それにぶつかる石のように異物として存在する自分。 それは結構、しんどいことだ。 この対談の中で、ご自身を「人生を楽しむのが下手チーム」と読んでいらして、共感。 でも、その「弱さ」の根っこは誰もが持っていたもので、今でもおぼろげに覚えている感覚で、だからこそ彼の作品は広く受け入れられるんだろうな。 村上春樹が作品を「井戸を掘る」と言っていた。 誰しもに共通するその地底まで「井戸を掘る」。 ヨシタケさんもその井戸を掘っているんだろう。 この対談でもう1人面白かったのが、「歌人芸人」の岡本雄矢さん。 大平さんが挙げていた「一番好きな岡本さんの短歌」は

どの暮らしにも関与していないのにWi-Fiだけは僕を見つける

この感性、すごいな。 「うた」って「切り取り方」で、文章の世界でのカメラ。 小説は映画で、映像のつなぎ方で世界を連続して見せる。 短歌は、ポラロイドカメラのように、その四角が「見えている世界」。 その人の目と脳。 ほかに紹介されている短歌も、どれも面白くて素敵。 ぜひ読んでみたいと思った。

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春休みに出会った探偵は [ 大崎梢 ]​ 元書店員の作家、大崎梢さん。 本にまつわるお話が多いので、今回も「図書館の先生」が本にまつわる謎を解く探偵のような役割の話だと思っていた。 ら、違った。 「日常の謎」系のミステリ。 花南子は、父子家庭で育った。 その父がシンガポールに転勤することになり、花南子は春休みから曾祖母・五月さんの管理するアパート「さつきハイツ」に入居する。 しかしその矢先、五月さんがギックリ腰で入院。 花南子は、母子家庭の同級生・根尾と、ご近所の謎を追うことに…。 さつきハイツに住む調査会社の調査員・今津さんも、中学生2人の暴走を見かねて手を貸してくれー。 近所の消えたおじいさん「きらきらを少し」 さつきハイツに現れる不審者「ここだけに残ってる」 消えた恋人を探す根尾の隣人「マイホームタウン」 遺産相続を巡る過去の諍いと消えた宝石「おばあさんがいっぱい」 根尾のアパートに住む不自然な子どもたち「ここから上がる」

「でも、いつまでも黙ったままじゃいられないでしょ。今にもこぼれそうな縁まで盛り上がったコップの水を、手に持って歩いている気分」(略) 「コップを大きくすればいい」 「どうやって」 「安住さんも勉強しなよ。いろんなことを学んで、本を読んだり人と会ったりしていると、たぶんコップは大きくなるんだ。飛んでもは跳ねても水はこぼれなくなる」

ラストは衝撃。今どきならではのお話という印象。 名前がアナグラムになっていたり、最初の「きらきらを少し」からヒントはあったのだけど、気づかなかった! 正直、「日常の謎」系のお話って「もうええです、おなかいっぱいですわ」となるんだけど、こういうキャラクターの一捻りがあると新鮮に読める。

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99%が知らない「行動」を科学する「なまけもの」のやる気スイッチ [ 内藤 誼人 ]​ 「お腹を空かせてみる」「月曜日にやる気が出ないのは自分のせい」「目標は1週間ごとがベスト」「『死』について考えると、親切になれる」などなど、やる気を出すためにどうすればよいのか、のライフハックを様々な研究結果とともに紹介してくれている本。 ライオンとかチーターとか、そういう猛獣のことを想像するだけでやる気がでるというのは面白かった。 週ごとのルールで行動し、目標を1週間毎にリセットする(仕切り直す)ようにすると、「ブルーマンデー」を「フレッシュ・リスタート日」として捉えられるようになるそうだ。私もこう考えたい。名付けて「イエローマンデー」(なんで黄色やねん(なんとなく))。

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2LDK5人家族3兄弟 ある日突然、子どもに 「自分の部屋が欲しい!」と言われたら [ マルサイ ]​ 中2・小6・小3の男子3人に、在宅勤務の親2人、猫1匹。 2LDKに5人家族。 そんな中、次男が「自分の部屋がほしい」と言い出した。 さて、どうしたものか。 予算は20万円。家族はそれぞれに個人のプライベートスペースを確保できるのか?! という内容。 最後には息子(長男と次男は1部屋を区切って、三男はリビングの一画を仕切って)だけでなく、母のスペースもリビングの一画にできていてすごかった。 しかし息子以外はどこで寝ているんだろう…。 細々としたモノも、クローゼットに収まり切るんだろうか。すごいな。 うちは3LDKで、今は夫が一部屋、子どもと私で一部屋、もう一部屋は納戸状態。 私も娘も「自分の部屋がほしい!」と言っているけど、そこまで切実に訴えているわけではないので「まあそのうちでいいか…」という感じ。 男女だと別々の部屋にしたほうがいいんだろうし、私が夫と同室になるのか、いやだな…(夫は汚部屋の住人。めったにものを買わない代わりに典型的な捨てられない人で、自室にものが溢れかえっている状態。今はそれが自分の部屋だけに留まっているけど…)。 部屋づくりとなるとどうしても「机・椅子・ベッド・棚」と考えるけど、どう考えても「ちゃぶ台・布団・棚」のほうがスペース少なくて済むんだよね…。 家具を揃えると引っ越す時も大変だしなあ。

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83歳、いま何より勉強が楽しい [ 野口悠紀雄 ]​ 『「超」整理法』や『「超」勉強法』の野口さん。 御年83歳の今、勉強が楽しい!高齢者はもっと勉強しよう!という内容。 おっしゃっていることが今私が感じている「勉強の楽しさ」に近いと思って読んでいた。 (これについて、SpotifyPodcastで「学び続けることについて」で話しました) 強制されない勉強って楽しいよね。 野口さんはそれを成果を期待して行う「投資としての勉強」ではなく、楽しいから行う「消費としての勉強=目的のない勉強=最高の遊び」として、「勉強を高齢者の生活の中心に据えよう」と仰る。 古代ギリシャでも奴隷が仕事をしたから哲学が発展したわけで、労働しないでよい環境に置かれて勉強だけ(知識欲だけ)追求できるってものすごい贅沢だ。 うらやま。 私の最近の考えもこれで、もはや勉強(学習)が娯楽になっていて、「やらなきゃいけないこと」「やったほうがいいこと」でもあるけど、同時に「楽しいこと」でもある。 楽しいからやる独学。ひとり楽しむ趣味。 そしてこれは自分だけで完結できる最高の遊びだな、と感じている。

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放課後ミステリクラブ 1(金魚の泳ぐプール事件) [ 知念実希人 ]​ 2024年本屋大賞第9位。 児童書初のランクイン!と話題になった本。 著者は『硝子の塔の殺人』の知念実希人さん。 お医者さんでもあるのね。 学校の泣く地蔵が倒された。 さらにプールにはたくさんの金魚が放たれて――。 4年1組の神山美鈴(みすず)、辻堂天馬(てんま)、柚木陸(りく)。 通称「ミステリトリオ」は、担任から依頼され、事件解決に乗り出す。 本は薄くてふりがな付き、挿絵もたくさんあり、巻末付録もありの「懐かしい少年少女小説」のよう。 読者への挑戦状もあってワクワクする。 これを読んで「ミステリって面白いな」と思う子がまた現れるのかと思うと、楽しみだ。 シリーズは現在4巻まで刊行されているので、続きも読みたい。

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気がつけば40年間無職だった。 (気がつけばシリーズ) [ 難波ふみ ]​ いじめ、不登校、潔癖、虐待。 そして30代で高校へ進学。34歳で卒業する。 兄・姉・妹(著者)というきょうだい構成で、これが私と同じ(私は中間子)だったのと、私の妹も小さい頃から不登校などを経て現在も30代で引きこもり?なので、なんというか、私はどうしても「当事者の家族(姉)」という視点で、自分の家族を重ねて読んでしまった。 私は著者のお姉さんのように優しくなくて、ずいぶん妹にひどいことをしたなと思う(親に頼まれて、学校に行け、起きろ、と言っていた)。 「私はこんなに頑張っているんだから、お前も頑張れ。頑張らない奴はゆるさない」という価値観の押し付け。 それは「私はゆるされたことがないのに、妹だけずるい」という思いでもあった。

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マンガ バナナの魅力を100文字で伝えてください [ 柿内 尚文 ]​​ 漫画+解説という進行の「伝え方」の本。 マーケティングの本かと思ったら、「伝え方」「伝わる技術」がメインテーマ。 でも、たしかにマーケティングも「伝える・伝わる」だな。

イラッときたら、「やさしい人になろう」と心のなかでつぶやく。

これ、出来てないです!!笑 上司だろうと「ああん?ふざけんなよてめえ」っていう態度になっちゃう!

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61歳で大学教授やめて、北海道で「へき地のお医者さん」はじめました [ 香山 リカ ]​​ タイトルに惹かれて手にとって、名前を二度見。 え、香山リカさんってあの香山リカさん?精神科医の?めっちゃ本出してる?? バリバリ東京ガールって感じの人が、61歳で大学教授やめて北海道で僻地のお医者さんってどういうこと? これは、彼女が中村哲先生と母の死から考え、紆余曲折を経て、北海道のむかわ町に就任するまでの物語。 すごくワクワクどきどきする内容で、とってもオススメ。 新しいことに踏み出したいけど…と迷いを抱えている人にぜひ読んでほしい。 この本を読んでいて、「子供の頃から好きだったことって、ずっと大事に持っていていいし、それをいつ叶えてもいいんだな」と思った。 香山さんの場合は、お医者さんではなく、科学者になりたかった。 恐竜が好きで、受験するなかで医者の道に進むことに。 恐竜博でカムイサウルスに出会ったことで「むかわ町」を知り、穂別診療所へ就職を決める。 そんな「御縁」あるんだなあ。

ーー東京とは何もかも違う。私はずいぶん遠くまで来たものだな。 しかし、そのあとすぐにこうも思った。 ーーいや、そうではない。子どものときに好きだったことに戻り、ずっとやりたいと思っていたことにようやくたどり着いた、ということなのかもしれない。

へき地医療を志し、車の運転にも挑戦。 このあたりのエピソードも、面白かった。 変化することって、怖い。 見通しが立たないこと、未知であることは、怖い。 だから人は安定を選ぶ。 でも香山さんは、来年の自分がどうなっているか分からないことが楽しい、と言う。 いいなあ、と思った。 私はそのとき「これでよかったんだ」とーーー「これが、よかったんだ」と頷けるかな。

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人類の終着点 戦争、AI、ヒューマニティの未来 (朝日新書944) [ エマニュエル・トッド ]​​ 1 戦争、ニヒリズム、耐えがたい不平等を超えて(エマニュエル・トッド 現代世界は「ローマ帝国」の崩壊後に似ている/フランシス・フクヤマ 「歴史の終わり」から35年後 デモクラシーの現在地)/2 「テクノロジー」は、世界をいかに変革するか?(スティーブ・ロー 技術という「暴走列車」の終着駅はどこか?/メレディス・ウィテカー×安宅和人×手塚眞 鼎談 進化し続けるAIは、人類の「福音」か「黙示録」か)/3 支配者はだれか?私たちはどう生きるか?(マルクス・ガブリエル 戦争とテクノロジーの彼岸 「人間性」の哲学/岩間陽子×中島隆博 対談) 薄い新書なんだけども、内容は深くて濃くてお腹いっぱいになる感じ。 読んでいて頭をすごく使う。 ウクライナとロシアの戦争、AIが特にテーマとして取り上げられていて、「ああ、そういう考えもあるのか」と色々考えさせられた。 ChatGPTについて言えば、仕事で文書を丸ごと翻訳させるのに役立っている。 「この文書を、台湾で話されている中国語に翻訳して」 「さっきの翻訳を、日本語に訳して」 の2方向をやって、文書作成すると、これまでよりとても自然な翻訳が出来る。 何より作業時間がめちゃくちゃ速い。 使い方の問題、だよなあ。

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読書は鼻歌くらいで ちょうどいい [ 大島梢絵 ] 私てっきり、大崎梢さん(元書店員の作家)の読書に関するエッセイだと思って、違いました! 名前似ているから勘違いした。 1993年生まれ、アナウンサーを経て、現在カレー屋さんを夫婦で営む方。 本が読めないことが悩みだったが、気軽な気持ちで読書をしてもよいのだと思い、それを読書記録としてインスタグラムにアップ。年間150冊を読む本好きになる。 私には「本が読めない人」が存在することは理解できるのだが、「本が読めない」ということが理解できないので(読もうと思えばよいだけなのでは?)、「そうなんだ…」と思いながら読んだ。 著者のカレー屋さんは、すべてのテーブルに本棚があって、座る席によって出会う本が違うという。 これ素敵だなと思った。 「読めばいいじゃん」と読書の権威性の上に胡座をかいて虎の威を借る狐状態でいたら、読書人口は減るばかりだものな! 本との接触を増やすことは大事だ。 Youtubeで見た又吉さんの読書偏愛語り。 ここまでマニアックに好きじゃないから、私はまだまだだな…。

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悪役令嬢になりたいのにヒロイン扱いってどういうことですの!? (レジーナ文庫) [ 永江寧々 ]​​ 頭ぱかーんとした本が読みたいなと思って手に取ったラノベ。 しかし読んで後悔した。なんじゃこれ。 王子から婚約解消を言い渡されたヒロイン。しかし願ったりかなったり、悪役令嬢モノの小説が好きな彼女は、これから悪役令嬢として自由に生きていこうと決心する。 という話なんだけど、最初とヒロインの人格変わってるし、「なぜ彼女がそうまでして悪役令嬢になりたいのか」が薄いし、「カヌレ」とか「ブリオッシュ」という名詞が出てきた時点で「ないわ」となった。 なんとか最後まで読み切ったけど、久々に外れを引いた。

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人生が変わる台所道具 私を助ける小さな働きもの [ 本多 さおり ]​​ 本多さおりさんー料理が苦手でストレスの元。だから、便利な道具や家電に思いっきり頼ります/後藤由紀子さんーいつもごきげんでいられるのは働きものの道具のおかげ。私をやる気にさせてくれます。/今井真実さんー気に入った道具が与えてくれる小さなときめきや、幸福感。その積み重ねが、大きな満足に。/コウケンテツさんー料理は、道具との共同作業。自分を助けてくれる心強さと安心感があります。/按田優子さんー自然素材だけでできている道具はいつまでたっても丈夫なままで、結果的に長く使えるんです。/おさだゆかりさんーおさだゆかりさんが案内する北欧ヴィンテージ台所道具 本多さおりさんが出ていらしたので読んだ。 ホットクック推しなんやなあ。2台持ちするくらいか…。ちょっと欲しくなってしまうやん…。 炊飯器が壊れつつある(コンセントの接触が悪く、角度に気をつけないと途中で炊飯が切れる)ので、新しい炊飯器を買って古いのを調理用にしようかな…。 豚しゃぶと千切り野菜の鍋に、「塩辛」をポン酢に入れて食べるというのが紹介されていて面白いなと思った。どんな味なんだろ。おいしそう。

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働く、働かない、働けば [ 巳年 キリン ] コミック形式の本。 「働くこと」について描かれている。

仕事してる時間ってまるで自分の人生じゃないみたい

その人は「仕事中は人権制限されるもんだよね、誰だって」と言う。 ぱらぱら捲っている時にここが目に留まった。 1日24時間のうち、8時間働く。 休憩を入れて9時間。 往復の通勤時間を入れて11時間。 それに睡眠時間を足して、家事の時間を足して。 …働くことが、生きることなのか。 誰かの仕事に生かされていて、それを思うのは傲慢なのかもしれないけれど、思ってしまう。 もっとほかの「働き方」が、「生き方」が、あるのではないか?

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73歳、月5万円でますます快適! 「ちょうどいい」を自分で創る ごきげんプチプラ生活 [ 紫苑 ]​​ テレビで拝見したときは、青一色という印象だった。 今は黄色になっているのだという。青の時代の終焉。 テレビのあと、本を出されたので読んだ(『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』)。 そのあとも出されていたんだな(『72歳ひとり暮らし、「年金月5万円」が教えてくれたお金との向き合い方40』)。 今回は、文章に「?」が多いのがちょっと苦手(ブログっぽいな、と思う)。 お金がなくてもOKになるには「自分の最適化」が必要だという。 1 健康 2 趣味(教育、学び) 3 家族を含む人間関係 4 少しのお金 この4つの要素で不安を減らし、今の暮らしに集中する。 「使わない暮らしで生まれる喜びは、ほぼ永久仕様」という名言も。 家事スキルの重要性を説かれているところも、稲垣えみさんを思い出した。つまりはそれが真理ということなのだろうか。

昨日できなかったことが今日できるのはとても幸せなことです。庭に種を蒔いて、今日は芽が出た。少し大きくなったと見守るのが楽しいように「自分育て」は楽しいものです。そんな風に年を重ねていけたら、こんな幸せなことはありません。

紹介されていた方たちのように、あちこちに居住をもつのは羨ましい暮らし。 いつかやってみたいなと思う。

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55歳、小さなひとり暮らし ワクワク、身軽に、気の向く方へ [ しょ~こ ] 団地ラブなので、団地に素敵に暮らしている方を見るだけで涎が出る(気持ち悪い言い方するな)。 レトロな見た目に、空気ごと慈しまれている感じ。余裕のある雰囲気。 「古道具」「木箱」「かご」で収納がうまくいくというのは参考になる。 うち、どれもないわ…。 読み終わったあと「今ある家を愛したいな」と思える本でした。

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目標や夢が達成できる!1年・1ヵ月・1週間・1日の時間術 [ 吉武 麻子 ]​ 時間の使い方が下手だなと思って再読。 「充実した人生=時間の使い方の手綱を自分で握ること」。 暴れ馬に必死でしがみついている私。

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プラスティック (講談社文庫) [ 井上 夢人 ]​ 2024年本屋大賞(発掘部門)「超発掘本」受賞作。 1994年発刊。 フロッピーディスク(!)に残されたテキストデータを読むという形式で進む物語。 新婚の新妻は「自分のふりをした誰か」の影に怯え、やがて彼女は殺されて発見される。 殺したのは、誰なのか。 ネタバレすると、多重人格者の中に住むそれぞれの人格が「本体」である人物へ事件の概要と想いを書いた、本体への手紙のような構成。 はじめ、女性はそうなんだろうなと思って読んでいたのだけど、実行犯である男性や、事件を追う小説家まで同じ人の別人格だとは思わず、意表を突かれた。 いやあ、面白かったな。 警察に事件の犯人として本人バレした後の展開はあっさりなのだけど、そこからは最後に「なぜこれが書かれたのか」「読者が読んでいたものはなんだったのか」が明かされる二重構造。 最終章のファイルは、「本体」の名前がついた空白のファイル。 ここまで読んできた、「あなた」が、私達(ほかの人格)を受け入れるかどうか、その決断を聞かせてほしいと、別人格達が問う。 彼女は彼らを受け入れたのか、それとも認められず死を選んだのかーーー。

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2024年6月に読んだ本

読了

 6月に読んだ本は、24冊でした。 相変わらず手帳術の本ばっかり読んでますね! 人生に行き詰まると手帳本とかミニマリスト本を読みがち。 ミスドの「スケジュールン」、マンスリー枠に使用済切手がぴったりサイズ。 これまで「可愛いけど…」とメモページに貼り付けていたけど、ここに貼ろう。

2024年6月に読んだ本
099

感想はラジオで喋りました! (Spotify Podcast「ノマ通信」

100

再読。 バレジャ熱高まる。 でもさ、こういう系のって「いやあんた別にバレットジャーナルじゃなくてもええんちゃう?」と思う。 デコラティブ系。 わらにもすがる思いで脳みそ容量ハムスターみたいな人のためのバレットジャーナル実例集がみたいんだよこっちは!

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大人の発達障害 働き方のコツがわかる本 (健康ライブラリー) [ 太田 晴久 ]​ この本良かったです!「私って発達障害なのでは?」と思っている人におすすめ。 いやあ、ADHDの特徴に当てはまりすぎて笑えるぜ。 「先延ばしグセ」なんて胸にグサグサ刺さる(これ、この記事の最後に「NOTES」で書いている仕事の話もあてはまるかも)。 でもさあ、私が生きている世界はこれが普通なのに、みんなは違うの?! 私とよく似た特性を持つ妹が、今度ADHDの診断を受けるそうなんですが、この本にもあるように「昔から(12歳前)・複数の場面で」の困難さを証明できないとADHD診断受けるのは難しいらしくて。 小学生の時の通知表はあるか、と医師から訊かれた妹。 脳の処理容量の少なさ(=所持品の把握管理能力)からミニマリストになった私と妹は、小学生の頃の通知表なんてとっくの昔に処分しているのである!!! けど、通知表に書いてたかって言ったら、たぶん書いてないんですよね。 だって些細な日常の不和は、誤魔化して来てるじゃん。 (そして「誤魔化せるレベルなら違うのか?」と悩む私と妹) まあ名前がついてもつかなくても、この自分で生きていくしかないよな〜。 脳が多少バグってても、それがデフォ。 This is Me. Born this way. Let it go. 「自分が体調を悪いことを忘れるから、色の違うミサンガを朝つけていって、目に入るたびに思い出すようにする」というハックは「おお」と思った。 とにかく3歩で忘れちゃうんだよなあ。 手帳にメモしまくり、メモがない時は手に書いている。 毎朝、白紙のA4用紙のような気分だぜ。 「すごい書いてますね!」と褒められると、「こんな些細なことを普通の人は覚えておけるんだよなあ」と凹みます。

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好きを詰め込んで手帳時間を楽しく! バレットジャーナル活用術​ 再読。 だから私はデコラティブじゃないバレジャ本が読みたいのだが、そういう本がないので仕方なく。 最初に買った手帳っていつまでも覚えてる(よね?)なあ、と、著者の「手帳年表」を見ながら思い出す。 小学3か4年生のとき、ピングーの6穴システム手帳だった。 システム手帳、カスタム楽しいよね。

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書くだけで夢がかなう 手帳&ノート術 [ 日経WOMAN ]​ 再読。手帳熱の高まりを受け。 「日経WOMAN」の手帳記事まとめ本。 毎回毎回おんなじ特集のローテーションなのに、なんだかなんだ「日経WOMAN」毎月読んでる。 そんで、手帳特集のときは滾る…。

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人生に疲れたらきれいなものが見たくなるやん。 このシリーズのインテリア本が好きで、とにかく目の保養〜。 大学生の時にはまって集めていたんよな。 「すき!」が集まっていてキャワイイ。

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再読。 これ、パリのと同じシリーズやと思ったら違うとこが出してるんよね。 ロシアは地味。萌が足りなかった。

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こういう実用的な、デコ要素ゼロ!みたいな手帳本が見たくて。 タスク書き出し→できたら青鉛筆で消す、できなかったら赤鉛筆でマーク としている学生の使い方がよかった。 「勉強のTPO」というのは、確かにと思った。 机にむかって勉強する、だけが勉強方法じゃないなあ、と資格試験の勉強をはじめて感じている。 「これなら・このときに・できる」をあてはめていくと、結構勉強時間作れるなとも。

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飛ぶ教室 (岩波少年文庫 141) [ エーリヒ・ケストナー ]​ セルフ配信ラジオで『DJヒロヒト』の話をしていたときに、「飛ぶ教室読んだこと無い」ということを言っていたので、有言実行、読みました。 いやあ、これ良かった〜。 しかし書き出しと書き終わりが思っていたのと違った。 すばらしい先生と少年たちの交流の物語かと思っていた。たしかにそうなのだけど、作者が「これは僕が考えた話」ということを前後に作者の考え方とかを言っているのが「へえ」という感じ。 『僕たちはどう生きるのか』を読んでみたら好きだった、という人にオススメ。同じ空気感がある。 『窓ぎわのトットちゃん』がお好きな方にもオススメです(電車の車両に住む人が出てくるよ!)。

「きみはなぜ止めなかったのかね?」 「多勢に無勢だったんです」ウーリが上空から答えた。 「平和を乱すことがなされたら、それをした者だけでなく、止めなかった者にも責任はある」と、先生は言った。

これ、今のこの状況にも胸に刺さる言葉だ。 訳者あとがきに「ケストナーがこれを書いたのは、1933年です。この年のはじめ、ドイツはナチス政権の手に落ちました。」とある。

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おしごとそうだんセンター [ ヨシタケ シンスケ ]​ ヨシタケさん本。中高生〜おとなむけ。 仕事って?を考える内容。 紹介されているお仕事は、いつものヨシタケさんの奇想天外なお仕事なのだけど、合間合間の「おしごとそうだんセンター」の話はひどく現実的。

たのしくおしごとできるかどうかは、けっきょく「いっしょにおしごとする人がどんな人か」だったりするのよね。

このくだり、ほんとそう!!!とヘッドバンキングしながら読んだ。 あなたはどこへでもいける、なんにでもなれる。 どこへいたいか、を考えないと。

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「箇条書き手帳」でうまくいく はじめてのバレットジャーナル はじめてのバレットジャーナル [ Marie ]​​ 再読。 日本でバレットジャーナル本といえばこれ!という元祖バレジャ本。 デコラティブじゃないところが非常に良い。 自分の頭の中がしっちゃかめっちゃかなので、とにかく何か良い方法はないか模索中。 デイリーログは「その日にやること その日に思いついたこと を入れる箱」という説明に納得。 そして、箱の中身をそれぞれ適切な箱(長期保存、違う日の箱)に入れてカラにする。 バレットジャーナルは、「この日」の記入内容に制限がないのが良いよね。 ずらーっと書いていくと、記入スペースが足りないときがあって困っている。 ただ、やっぱり今の「私が手帳・ノートに書きたいこと(書いていること)」をすべてカバーするのは無理そうだなという印象。

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八重歯が見たい (チョン・セランの本 06) [ チョン・セラン ]​ 韓国の作家さんでは、チョン・セランさんが一番好き。 SFとファンタジーみがありつつ、ユーモアがあって現実的。 これは、物語が間に挟まり、それが現実の世界に侵食してくる。 そういう話、大好き。 すてきな八重歯の持ち主であるジェファ。 作家の彼女は、過去の作品を書籍化するにあたり、物語に手を加えることに。 その言葉は、別れた元彼・ヨンギの身体に不思議な一文として浮かび上がる。 物語のなかで何度も彼をモデルにした人物を殺したジェファだが…。

この上ない人生だ。戻りたい時も、場所もない。 人生がテトリスなら、もうこれ以上長い棒は降りてこない。一気にすべてが解決することはない。こうやって積もり積もって、消え去らないものを抱えたまま耐えていくしかないのだろう。

ここの文章がすっごく良かった。ほかにも良いところはたくさんあるのだけど。 ああ、分かるなあとなった。 私の人生がテトリスなら。 何も考えずに適当に積み重ねたものばかりで。 隙間がたくさん空いて、無駄なスペースだらけ。 でもある時、長い棒が降りてきて、奇跡みたいに消え去るのだ! …なんてことは、ない。 だってもう、画面はキチキチに詰まってきている。 GAMEOVERは間近。 どうしてあのとき、もっとちゃんとよく考えてやらなかったのか。 後悔ばかりが積もる。 けど見えている画面がいっぱいになっても、きっとこの場面は終わらないんだろうね。 画面の余白は上に伸びて、私は相変わらずデタラメに積み上げていくしかないんだろう。

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今日の自分を肯定する 箇条書き手帳術 [ Marie ]​ 『「箇条書き手帳」でうまくいく はじめてのバレットジャーナル 』の続編。 デコラティブじゃない、実用一辺倒のバレジャ本をお求めの方!こちらです! 発案者もデジタルカレンダーと併用しているというが、この方もデジタルと併用してらっしゃる。 バレットジャーナルは「今(今日)」にフォーカスしているため、予定管理は苦手。 そこを補うには、デジタルがオススメだという。 私も、予定をA5の手帳のマンスリーページに書き込んでいるのだけど、 ○遅番 ○11:00- 会議1 ○13:00- 会議2 ○14:30- 面接1 ○15:30- 面接2 ○娘水泳授業 ○夫直帰お迎え みたいなことを全部書き入れると、もう…ぐちゃぐちゃで何が書いてあるのか…。笑 で、6月後半の予定を全部、GoogleCalendarに入力してみました。 記入が前後しても、時系列順にならぶ〜!! プライベートと仕事の予定色分けできる〜!! タスクも色分けして見やすい〜!! 繰り返しの予定(毎週の会議、毎月の締切日)が一発で反映される〜!! と、利便性に震えている。 一覧性には乏しいので、スマートフォンのホーム画面にカレンダー・スケジュールのウィジェットを追加。 右画面にカレンダーの月ビューウィジェットを追加。 アプリのアイコンはすべてグループにまとめてホーム画面下部に。 一日に何度も手にとって見るものだから、いつもの私の「今日なにするかわからない、頭の中真っ白」という状態を防げそう。 でもデジタルは、「いつやるか決まっていないこと」を保管しておくのが苦手だから、結局ほかのアプリやノート(バレットジャーナル)で補わないといけない。 というわけで、手帳会議再び。 来年度は、 ・予定表…Google Calendar ・メモ …LINE(自分のグループ) ・ほかの記録…無印良品の文庫本ノート ・その日の予定・タスク…コピー用紙のメモ でどうかしらん。…結局一元化ってできないんだな〜…。

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ジェイソン流お金の稼ぎ方 [ 厚切りジェイソン ]​ この本、前作よりめっちゃ良かったです。 「稼ぐための本」「稼げるようになるための本」なのだけど、そのまま「キャリアの本」「どう生きるかの本」だった。 論理的思考力、ないなあ。フィーリングで動きすぎている。

自分の仕事も人生も自分で舵を取らなければ、誰がやってくれるんだ?誰もあなたのためにお膳立てをして考えてくれることはないよ。だからこそ、どんな場面でも「考える力」が必要なんだ。

私はまだ古い人間だから、転職に対して及び腰。 海外ではそうでもなくて、キャリアのためにどんどん転職していくんだろう。 転がる石に苔は生えない。 日本では、「石の上にも三年」で、長くそこにいて忍耐とともにメンバーシップ型のスキルを身につけることが大事だけど、そうじゃない。 新しいスキルを身につけてどんどん成長していく人には、古臭い苔が生える暇はない。 これからジョブ型になっていくと、それが普通になっていくのか。 そのときに、はたして私の「稼ぐ力」のスキル・キャリアは何なんだろう。 何と何を組み合わせて「ウリ」にしていけるんだろう。

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教師の毎日がはかどる! ゆきこ先生の1分だけ手帳術 [ 渡邊 友紀子 ]​ 前にピアノの先生の手帳術本を読んだけど、今回は小学校の先生の手帳術。 こういう「〇〇の仕事の人」の手帳術本、もっと出ないかな。 ホワイトカラーのオフィスワーカーが前提の手帳本が多いけど、そうじゃないもんね。 時間割を書き込んで、指導の週案(というのがあるんだな)を作る…といった工夫が興味深かった。 鉛筆なら備品ですぐにあるから鉛筆で書く、ほかは赤ペンか青ペン(これも備品であるから)という発想が「なるほど…」という感じ。 手帳術系が好きな人って文房具も好きな人が多いから、マイ文具にこだわるイメージ。 でもそうじゃない、必要性からの手帳術であると、「そこにあるもの」でやれることも大事。 ご自身も子どもを育てながらの小学校教師ってすごく大変なんだろうな。 そこをとにかく効率化して、見極めて、持ち帰りナシの定時退勤。すごい。

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こんまり流 今よりもっと人生がときめく77のヒント【電子書籍】[ 近藤 麻理恵 ]​ 「人生がときめく片付けの魔法」の近藤麻理恵さん。 この本は、片付けだけではなく、働き方や家族など全般についての「ときめく」方を選ぶことへのアドバイスみたいな内容。​

『ひるんで逃げたら、ただそこで終わるだけ』。

​ この言葉、なんだか「スラムダンク」の「諦めたらそこで試合終了ですよ」に通ずるものがある。 チャレンジしない言い訳は、それこそ山程、用意出来るんだよね。 でも自分に残るのは、「チャレンジしたか、しなかったか」の2つしかない。 結果が失敗でも、力及ばなくても、無謀でも。 「チャレンジしたこと」は残る。 そして後悔というのは、いつでも「やらなかったこと」にある。 ほか、パートナーを「さん」付けで呼ぶという話など。 ときめかないけど必要なもの(日々役に立つもの)を「ときめくもの」に変えようとするなら、「感謝する」ことが必要なんですって。 これ、『ぼくたちに、もうモノは必要ない』でも仰っていた。 すべてのものに言えることだなあ。 家庭も、仕事も、人間関係も。 ときめかないけど、「感謝する」。 私ができてないこと。

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中間管理職無理ゲー完全攻略法 [ 中谷一郎 ]​ この本、面白かったです。 現場のオペレーションを、設置したビデオカメラで分析し、改善する会社の人が書いてる本。

中間管理職は、まるで無理ゲーに挑むRPGの勇者のよう。 パーティのメンバーは言うことを聞いてくれないし、すぐ抜ける。社長や幹部らゲームマスターは無理難題をふっかけるわりには、大した支援をしてくれない。しかも、業績悪化というラスボス、これがなかなかに強敵で、倒せる気がしない。

そんな中で、上に下にどう接していけばいいのか、どうオペレーションを改善し、自らも疲弊せず成長していけるのか、のヒントをくれる内容。 オペレーション改善の事例に基づいた実践的なノウハウが盛り沢山。 明確で再現性が高い方法(手法、アクションプラン、仕組み、仕掛け)を伝授してくれる。 前に読んだ物語思考の本の「攻略本」と同じ語り口の感じ。 「上の世代とゲームのルールが違う」は分かるなぁ。 残業が制限されて、非正規雇用が増えて、定年延長があって…という中での、誰も教えてくれないマネジャー業務。 それも昔ならマネジャー業務だけやっていれば良かったところ、人員削減を受けてバリバリの1プレイヤーとしてプレイングマネジャーをしていかないといけない。 上司の無茶振りな指示!部下のフォロー!自分の担当業務! いやもう無理やん。無理ゲー過ぎるやん。 そんな中で、四苦八苦の試行錯誤で、なんとか前に進んでいく方法が知りたいのよね。 「眼前の業務に毎日全力で取り組んでいるのに、待遇や業務内容がステップアップしていかない」の項目で、

まずは、自分が見ている景色と見るべき景色を認識する
責任の大きさによって、見るべき景色が異なる

の説明があって、責任の大きさと見えるべき範囲の図解がすごく分かりやすかった。 目の前に壁がある、そこまでしか見えないのか。 壁の向こう側まで、高い視座で見えるのか。 これなあ、私ついつい日々の業務に追われて、近視眼的なつ視野狭窄に陥ってしまう。 1担当だったとき、上司に「一つ上、できれば二つ上の役職で考えるように」と言われたんだけど、全然出来てない。 その人たちが見えているもの(見ないといけないもの)が分からない、というのもあるな。 こいつら何考えとんねんと思ってるからな…(笑) 私が本当にやるべきは、そこの仕事だろうにな…。

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楽しく書いて、憧れの自分になる! おしゃれ手帳術 (TJMOOK)​ ペラい見た目重視の手帳本。 韓国アイドルが流行った関係で、いまは3穴手帳も人気…とあって、「なにそれ?!」となった。 ミニミニで可愛いね。 システム手帳はやってるよな〜。 気になる。

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ミカンの味 [ チョ・ナムジュ ]​ 『82年生まれ、キム・ジヨン』のチョ・ナムジュさんの作品。 映画部をきっかけに仲良くなった、女子中学生4人グループ。 学校一の秀才であるキム・ダユン。 平凡な過程に生まれ育ったチャ・ソラン。 父が事業に失敗し、貧乏暮らしを送るイ・ヘイン。 離婚した母と祖母とクラスソン・ウンジ。 4人は、チェジュ島への旅行をした際に約束する。 一緒の高校に行こうーーー。 秀才であるダユンは、エリート校を受験する日、病弱な妹が急変したとの連絡を受ける。 しかしメールの送信者となっていた母は、そんなメールを送っていなかった。 一方のヘインは、父が意地でも入れようとした学校への入学を、偽装転入と密告される。 犯人は誰なのか。

「ヘイン、今は生きていけそうになくて、世界が終わったみたいに思うかもしれない。私もそんな時があった。うーん、ウンジのお父さんと別れる時もそうだったし、それと、私、最初の仕事をちょっと悔しい辞め方をしたのね。あの時もそうだった。でも、見てよ。こんなに元気に生きてるじゃない。何とかなったよ。それでも生きていけるんだよ。まあ、子どもたちに話すようなことじゃなかったかもしれないけど、本当にそうなのよ。だから泣かないで」

韓国の高校進学事情が分からなくて、「?」となりながら読んだ。 うしろの訳注に詳細があるが、韓国って公平で平等な教育を目指しつつ(住んでいる地区で進学先の高校が割り当てられる)、一方では強烈なエリート養成ルートを残している。 なんというか、ものすごい国だな、と思ってしまう。 この国で生まれ育つことは、とても大変なのではないかと。 タイトルの「ミカンの味」は、4人がなんとか親を説得して旅したチェジュ島で、旅程に組み込んでいなかったミカン農園を訪れ、そこで食べたミカンの美味しさに驚く、という場面から。 なぜこんなに美味しいのか、いつも食べているミカンの味と違うのか。 外で食べたから?期待も、予想も、計画もしていなかったから?

緑色の時に収穫されて一人で熟したミカンと、木と日光から最後まで栄養分をもらいながら育ったミカン。枝から切り取られたあと、限られた養分だけでうま味を増しながら熟す実もあるんだな。私は、そしてあんたたちは、どっちに近いんだろう。

育ちゆく彼女たちが選ぶ答えと、「犯人」。

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仕事と勉強にすぐに役立つ「ノート術」大全 [ 安田 修 ]​ 著書が読んだ50冊のノート・手帳術本のエッセンスをまとめた内容。 私もノート・手帳術系が大好物でよく読むので、「あ、それね」というものもけっこう紹介されていた。 ただ、ふだんそれ系の本を読まない人には、この本だけでハウツーが伝わるのか疑問。 バレットジャーナルも紹介されています。  しかし例示の書き方が原案に忠実じゃなく不正確だなとも思いました(タスクにバレットがつかず、重要マークのみになっているとか)。 「そのタスクが2分以内に終わるなら、今すぐ片付ける」というやり方で、著者はタスクが片付くようになったそうなんだけど…。 私はこれ、微妙なんてすよ。 まず2分以内に終わらない(ほかに気が散ってしまう→はじめのやろうとしてたことを忘れる)。 しかし放置すると2分以内に終わるタスクが積み重なってデカタスクになっちゃうんよな…。 すぐやるほうがいいんかなあ。これは人の脳のワーキングメモリの大きさにもよるよな〜。 こういう「細々としたちいさいタスク」をメモしないでもちゃんと覚えておいて、あとからちゃんと出来る人を本当に尊敬する。 タスクの中で「その日のハイライトを決める」というのは良いなと思いました。 これが出来ればその日は最高の1日だということを決める、というのはやりきった感出ますね。

激しく変化する世界で、素早く仮説を立てて実験する、違ったらすぐ修正する。少しくらい不格好でもまずは動くものを作り、投入する。マーケットからフィードバックを受けて、すぐに修正する。きれいな成果物が求められるのは最後の最後です。

パワーポイントで資料を作る前に手書きでイメージを伝えて方向性を確認しろ、という内容のところの、ここの記載に激しく首肯。ドンピシャ私の指針これ。

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アフリカで、バッグの会社はじめました 寄り道多め、仲本千津の進んできた道 [ 江口絵理 ]​ 今年の第70回青少年読書感想文全国コンクール高学年の部「課題図書」。 興味を惹かれたので、どんなもんだいと思って読んでみた。 (ちなみに、前に読んだ2023.08.27「189.図書館がくれた宝物 [ ケイト・アルバス ]」も高学年の部の課題図書になっていました。この本面白かったのでおすすめ) 表紙に並んだきれいな柄のバッグ。 表紙をめくると、本の見返しもおしゃれな柄。 こういう派手派手な柄って、気分が上がる。 私は普段、黒白灰色の服だけを制服のように着ているミニマリストなので、どうしても地味になる。 そこに民族衣装の布を取り入れると、ぱっと華やかになるし、なんとなく「おしゃれ上級者」感を出せる。 こだわりのある、自分の道がある人なんだろうな、という印象を与えられる。 この本の主人公は、社会起業家の中本千津さん。 4人きょうだいの一番上に生まれ、やんちゃで勉強もよく出来た。 将来の夢は「国境なき医師団」に入ること。 しかし理系が苦手で、緒方貞子のドキュメンタリーを見て国連で働くことを目指す。 国連のあり方に疑問を感じて研究者を目指し、社会起業家の「あなたは実際に何をやってきたのか」という問いに、就職を決意。 社会を知るために大手銀行に入るが、仕事ができない自分に落ち込む日々。 東日本大震災をきっかけに、後悔しない人生を送ろうと、アフリカで農業支援を行うNGO「笹川アフリカ協会」へ転職。 アフリカ出張で訪れたウガンダで、色鮮やかなアフリカンプリントの布と出会い、現地でシングルマザーたちとバッグを作り始める。 そして日本で、母とともに「RICCI EVERYDAY(リッチーエブリデイ)」という会社を立ち上げた。 …行動力の人だなあ。まあ、勉強がよくできて頭がいいんだろうな〜と思って読んでいた。 私は、どうしても社会起業家の物語というと、バングラデシュでバッグを作り始めた山口絵理子さんの「マザーハウス」を思い浮かべる。 彼女の本『裸でも生きる』を読んで、感銘を受けて、講演会へ行き、「マザーハウス」のバッグを使っていた。 だからどうしても、今回のこの本を読んでも「ああ、同じようなストーリーがあるんだな、それがアフリカで、アフリカンプリントの布ということで」と感じてしまった。 それぞれはそれぞれに、その物語としてすごいんだけど。 既視感があるというか。 はじめてこれから読んだら、新鮮だと思う。 大量生産・大量廃棄を前提としたファッション業界。 アフリカンプリントの布まで中国やインドで作って輸入しているとは知らなかった。 千津さんは、代わりとなる材料を求め、「ムトゥバ」という木の幹から取れる「バークロス」という布でバッグを作り始める。 バイタリティ溢れてる。 走りながら、過ちがあれば反省して軌道修正。 これが素直にできるのって、すごいことだ。 この本は、「社会(世界)のために行動すること」「挑戦すること」がメインテーマになっているのだけど、私が読んでいて一番「いいな」と思ったのは、彼女が今日本人に届けたいものというところ。

アフリカンプリントのバッグや小物は、ぱっとその場が明るくなるほどに色鮮やか。柄も人の目を引くような個性的なものばかりです。見るぶんには楽しいけれど、いざ買うとなると、落ち着いた色柄のものを買うときに比べ、「これを買おう!」と決心するのにちょっと勇気が必要です。 でも、たくさんの色や柄のなかから「私はこれが好き」と選び出すことには、人生への思わぬギフトがついてきます。(略) 勇気を出して、自分が心から「これが好き」と思って買ったバッグが人にほめられれば、自分の選択に自信が生まれます。 「それって人生でも同じじゃないかな?」

彼女は、自身が銀行員をしていた頃の、「仕事だから」「こうすべきだから」に縛られて、自分が何をしたいのか分からなくなっていった時のことを思い出す。 楽しく幸せに生きていくために、無難で人が納得するものではなく、「自分がやりたいこと」「好きなもの」を選ぶこと。 千津さんは、バッグ選びを通じて「自分の心の声に正直に生きよう」というメッセージを届けたいのだという。 ああ、そうかと思った。 彼女のバッグを買って使う人は、日々自分の選択を目にする。 目に入るたびに、幸せになる、すてきなバッグ。 それって「たかがファッション」かもしれないけど、すべてに通じることだよね。 冒頭の話に戻ると、私はモノトーンの会社員(事務員)ウェアで没個性的に生きている。 スタンダードでベーシックな装いは、現代日本社会に迷彩柄のように馴染む。 透明な存在になったように感じる。自分がここにいないような。 その時、鮮やかな布を首元に巻いて、あるいは羽織って出かける。 物語のある布。主張する柄。派手で目を引く色。 反射で窓に映った私は、オフィスから切り取られたように見える。 そこに「私」がいる。

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世帯年収1000万円 「勝ち組」家庭の残酷な真実 (新潮新書) [ 加藤 梨里 ]​ データがずらずら並べられていて、それに対して考察?がこれまたずらずら書き連ねてあるだけの本。 著者はファイナンシャルプランナー。 東京で子ども2人で家買って小学校受験させて私立に入れたら、世帯年収1000万円でも苦しいんだよ?! という内容なんだけど、なんだかなー。 その価値観に乗って生きていくからしんどいんちゃうんかなー。 どうせなら「そのレールに乗らない」生き方を紹介した方が有益なんじゃないか。 共働きだとこんなにお金がかかるんです!という主張のとこも、家電とかそんなに買わなくても、ベビーシッターとか雇わなくても、みんなやっていってると思うんだけども…。 金がかかるアピールのために使われているなという印象。 ただ、1000万円が公的扶助を受けられるかどうかの境目になっているというのは、子育てなんかみんな平等に支援してあげればよいのでは…と思わんでもない。 しかしすべて公立に進んでも、高校までで574万円、大学までで1055万円。 (授業料、入学金、学用品、修学旅行積立金、塾や習い事の月謝を含む) うちは2人だから✕2。 それも、中学から私立、高校から私立、大学から私立、あるいは浪人、医学部や薬学部進学、大学院進学、仕送りでどんどん加算されていく。 贅沢品としての子ども、になっちゃうよな、これだけ見ると。 子どもが少ないなら子どもに金かけりゃあいいじゃん、と思うのにね。 子どもを持つことが選択の結果である以上、それは自己責任ということか。 世知辛いねえ。 この本で、子育て中の親が自分の裁量で過ごせる時間のデータが紹介されていた。 労働、通勤、家事、睡眠や食事などの基礎活動を差し引いた、いわゆる「余暇」。 6歳未満の子どもが2人以上いる共働き世帯では、週に(週に!)5.1時間。 私は未就学児はいなくなったけど、まあ似たようなものかもしれない。 あらためて見せられると衝撃。 うーん。まずは法定の労働時間を短くすることから始めてくれないか…。

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ようこそ、ヒュナム洞書店へ [ ファン・ボルム ]本屋大賞「2024年翻訳小説部門」1位だったので読んでみた本。 原題は「いらっしゃいませ、ヒュナム洞書店です」。 これ、感じ方の問題かもしれないが、「いらっしゃいませ」は扉を開けた時に店内から声をかけられる感じ、「ようこそ」は扉の前にいて相手が開いてくれる感じがするのだけど。 で、私はこの本には「いらっしゃいませ」の方があっている気がした。 扉を開けるのはあくまでも、書店を訪れる客。あなた。 でもその扉の先にはいつでも、彼らがいる。 著者は、大手電気機器メーカーでソフトウェア開発者として勤務。 働きながら書いたエッセイ集を出したあと、書き始めた小説が本著。 電子書籍プラットフォーム「密里の書斎」✕小説投稿サイト「ブランチ」の電子書籍出版プロジェクトに選ばれ、配信後人気を博す。 その後、紙の書籍も発売され、韓国の「書店員が選ぶ今年の本」小説部門に選ばれ、大型書店「教保文庫」の年間ベストセラー10位となる。 著者は、映画「かもめ食堂」のような雰囲気の小説を書きたかったのだと言う。 それはよく分かる。 私は、大泉洋さんが出ていた映画「しあわせのパン」に雰囲気が似ているなと思った。 「かもめ食堂」は好きなんだけど、「しあわせのパン」はそんな好きじゃないんだ、私。 燃え尽き症候群で、脱サラし書店をはじめたヨンジュ。 就活に失敗し、書店でバリスタとして働き始めたミンジュン。 夫と喧嘩してばかりのコーヒー豆店主ジミ。 何事にも熱中することが出来ない高校生ミンチョル。 息子のことで気をもんでばかりのミンチョルオンマ。 書店で編み物を続けるジョンソ。 韓国語の文法について書く兼業作家スンウ。 ロン毛で本の虫の常連サンス。 それぞれの物語が少しずつ折り重なっていく。 いい話なんだよ。いい話なんだけど、栞いっぱい挟んで読み進めたんだけど、なんかこう、「一癖」がなくて私にはめちゃくちゃ刺さるわけではなかった。 じめじめした部分さえ、表面はサラッとしていて読みやすいのがなあ。 あと恋愛要素が絶対入ってくるのがなあ。 私はミンジュンの、「高級ボタンをせっせと作っていたのに、穴がなかったんだ」という話が好き。 彼は就職活動で失敗する。 そして成り行きで始めた書店のバリスタで、コーヒーを美味しく入れることに興味を抱く。 「服を着替えたら、その服には最初から穴が空いていて、その穴に合わせてボタンを作った」という彼の気付き、いいなと思った。 あとは、ヨンジュとスンウのこの会話。

「ダンスを踊る場面ですか?」 「ええ、あの場面。あそこを読んで、わたしもこんなふうに生きようって思ったんです。失望してもダンスを踊ろう、失敗してもダンスを踊ろう、深刻にならないようにしよう。笑おう。笑って、また笑おう、って」 「成功しましたか?」 「半分くらいは。でもやっぱりゾルバには生まれなかったので、笑っては泣き、ダンスを踊ってはうずくまり。でも、また立ち上がって、笑って、踊って。そんなふうに生きようとしているところです」 「素敵な人生ですね」 「そうですかね」 「そう聞こえます」

韓国で生きていくのは、日本で生きていくよりも大変そうだな、といろんな韓国小説を読んでいて思う。 けれどこの本が20カ国で版権取得されているのは、「大変さ」が現代社会に共通のものでもあるからだと思う。 場所が変わっても、言葉が変わっても、文化が変わっても。 立ち止まり、考えるだけの余裕が必要だ。 と、コロナの時に散々言っていたはずなのにね。

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毎日を特別にする みんなのバレットジャーナル【電子書籍】[ メディアソフト書籍部 ]​ バレジャ本。 瓶を描いて、方眼1マス=1時間としてカラフルに塗りつぶしていく「○時間チャレンジ」はキレイだしテンション上がりそう。 あと、ハビットトラッカーを曼荼羅みたいに配置したものも、見た目が派手で気に入った。 しかし!私はただ!実用一辺倒のタスク管理に特化したバレジャ本を読みたいだけなのに…!! 探しても見つからない、理想のバレジャ本。 そんなデコらんでええねん。 やること漏れずにできたらええねん。 そんで、できたら「やりたいこと」もちょっと叶えられたらええな。 今はまた、A4コピー用紙でのじゃばら週間バレットジャーナルに戻っています。 1週終わったあとに読み取って電子化(テキスト化)もはじめました。 これ、ブログで別記事にしたいなと思って出来てない。

ふりかえり

読みたい読みたいとずっと思っていた『飛ぶ教室』を読めて良かった。 古典的名作、と呼ばれるものをもっと読みたい。 老後の楽しみに取っておくのも良いけれど、気力体力持久力が年齢とともに衰えていき、読みたいと思った時には加齢で読めなくなっているのかもしれない。 明日死ぬかもしれないしね。 (私の想像する「天国」には、Kindle Unlimited 並の無限図書館があって、死後も書きたい著者が書いた新作があるんだけど…)

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2024年5月に読んだ本

読了

 5月に読んだ本は、31冊でした。 以下は毎週の「ノマ通信」に書いていた「今週読んだ本」の抜粋まとめ。

2024年5月に読んだ本
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ツミデミック [ 一穂ミチ ]パンデミック✕罪。 コロナをテーマにした短編犯罪小説集。 「特別縁故者」はこの中ではほっこりしてよかった。 私は「ロマンス☆」が「こわっ」となったな…。

何でだろう、と百合にはふしぎでならない。この人は、わたしが楽をしたら自分が損をするとでも思ってるんだろうか。

こういう、日常の「ちくり」とした棘や毒のほうが、大きな理由より恐怖だということ、ある。 主婦の百合は、モラハラ気味の夫にはやく働きに出るようせっつかれているが、子どもはまだ幼く、コロナで雇先も見つからない。 そんな百合はある日、通りすがりにとんでもないイケメンの出前宅配員を見かける。 それから、百合は夫と子どもにバレないよう、宅配をオーダーし続ける。 外れ、外れ、外れ。 ガチャを回すみたいに、その人が現れるまで。 クーポンを使って、ジュース1杯を届けてもらう。 昼ご飯も、おやつも、1日に何度も何度も何度も。 それでもハズレ、ハズレ、ハズレばかりーーー。 娘の幼稚園がコロナで休園になり、子供の目がないところで宅配を利用しようと、百合は娘に睡眠薬を盛る。 アタリが一度出ればいい、それだけなのに。

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手帳・ノート・紙ものをかわいくデコ スタンプレシピBOOK [ SE編集部 ]​ ノートしたい熱が今ピーク。 バレットジャーナりたい。紙とペンで書き始めたい。 でも今年度はもう手帳(セリアのA5マンスリー+ウィークリーブロックバーチカル)に日記(ミスドのスケジュールン)があってずいぶん書き込んでもいるから、途中から新しくやり始めるのは嫌。 というわけで本を読んでYoutubeを眺めて来年への英気を養っている(?)。 スタンプ買うし、テンプレート買うし、でもそのくせ使ってない。 特にスタンプは「はんこを出して、インクパッドを出して」というステップを考えるだけで「めんどっ」となってしまう(なんで買ったんや)。 でもいいよね、スタンプ。無限に使えるシールみたいやん。 この本はスタンプに特化した内容で、スタンプはやっぱりスタンプを下にして上からスタンプパッドでポンポンしないといけないのだな…とか、参考になることも多かった。 マンスリーが一瞬で出来上がる7連ハンコいいなあと思って調べたら1,500円くらいして、「ほなもう手帳買うがな」となったんやけどな。

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言語の力 「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか? [ ビオリカ・マリアン ]​ 言葉が好き。 ちょっといろいろと自分の今後の身の振り方を考えていて、今の仕事をやめるにしても無為無策に生きていくのはあまりに徒が過ぎるので、「わたしがちょっとやってみたいこと」以外で「わたしがすきで、やりたいこと」を今の仕事をやめるまでにスキルとして身につけたいなと思った。 私は高校国語の教員免許を持っているので、臨時講師の登録をしたら先生は職がありそう。 司書教諭と司書資格があるから、学校司書で働いてみるのもいいかもしれない。 高校の免許を持っていたら、座学で科目履修をすれば英語教師の免許も取れる。 国家資格となる日本語教師をとるのもいいな。 なんて夢物語を考えていて、「言葉」にまつわる仕事を思い浮かべると、どうしてもそれは「人」の仕事になるのだと気づいて「できるかな」と不安になる。 私は教師になるには致命的な欠陥があるのだ…。人間が好きじゃない、という。 でも私は「言葉」が好きで、その持つ力やそれが見せてくれる世界を伝えたいと思う。 それは人間嫌いでも可能なんだろうか。ううむ。 この本は、言語学の本。多言語話者を研究している方の本。 複数の言語を話す人は、加齢による脳の衰えを、脳の回路が複数あることによってカバーできるのだという! 耳も音を発しているなんて!なんで?? 母語第二言語で、同じ問いかけに対する答えが変わる。 また、違う言葉で質問をすると、思い起こされる思い出が異なるというのも面白かった。 とにかく複数の言葉を話すと、めっちゃいいこといっぱいあるねんで!という内容でした。 「いまさら外国語を勉強して何になるの?ネイティブになれるわけでもないし」 と思うそこのあなた!はい!たまにダークサイドに落ちてドロドロに溶けたハウルみたいになってるときの私! 言語の臨界期説はすでに過去のもの。 最新の研究では、「臨界となる年齢はない」という結果になっている。

私自身、複数の言語を話す人たちを対象に、数十年にわたって研究を続けてきた。その過程でわかったのは、人はいくつになっても新しい言語を習得できるということだ。しかも、学習の効果はすぐに現れる。

そして筆者は言う。「新しい言語を学ぶのは、自分への最高の贈り物だ。」と。 言葉が好きだ。 子供の頃、どうしてこの紙の上のインクの染みが、口を開けて私に話しかけてくるのだろうと思っていた。 そこに閉じ込められた言葉。物語。誰かの言葉。叫び。祈り。涙。笑い声。 ため息もにおいも風の音も木漏れ日さえ、そこにある。 私は知りたかった。「これ」は何なのか。私にもそれが使えるのか。魔法のようなそれが。 違う世界の魔法があるならば、今度はその向こう側にいる誰かの声が聞こえるように。 私は毎日毎日、いびつな魔法陣を描くのだ、ここに。 いつか、向こう側へ行けるかも知れないから。 それは私が私の力で描く魔法だ。

071


検証 ナチスは「良いこと」もしたのか? (岩波ブックレット 1080) [ 小野寺 拓也 ]NHKラジオ「高橋源一郎飛ぶ教室」で紹介されていた本。 てっきり『それでも日本人は戦争を選んだ』みたいな分厚さの本だと思っていたら、拍子抜けするほど薄かった。 ブックレットと名がついているのも納得。 ネット上で「ナチスはひどいこともしたけど、良いこともしたんだよね。そこはちゃんと評価しないとだめなんじゃない?」という投稿が定期的に上がってバズっているらしい。 そこで専門家である著者が「ずっと研究しているけど良いとこひとつもないっすよ」というようなことを投稿したら荒れに荒れたのだそうだ。 そこで著者は本を書いた。ナチスは良いこともしたのか? 第一章 ナチズムとは? 第二章 ヒトラーはいかにして権力を握ったのか? 第三章 ドイツ人は熱狂的にナチ体制を支持していたのか? 第四章 経済回復はナチスのおかげ? 第五章 ナチスは労働者の味方だったのか? 第六章 手厚い家族支援? 第七章 先進的な環境保護政策? 第八章 健康帝国ナチス? 結局、「おわりに」で著者が書いているように、ネット上での「ナチスは良いことも」派は「政治的正しさ(ポリコレ)への反発」なんだろう。 だからなんていうか、ナチスでもナチスじゃなくてもいいんだろうなという気がした。

ナチスは良いこともした」と主張する人たちにあっては、そうした反権威主義的な姿勢はいわゆる「中二病」的な反抗の域を出ず、ナチズムが実際にどんな体制であったかについては無関心であることが多いようだ。過去の研究の積み重ねから謙虚に学んで、それを批判的に乗り越えていく姿勢はほとんど見られない。そこでは多くの場合、学校的な価値観への反発が「教科書には書いていない真実」への盲信に直結している。

たとえばこれは、「日本軍は占領地で良いこともしたのか?」とも置き換えられるだろう。 (そしてその時、私の中にも「良いこともしたんじゃない?」と言いたい気持ちが、ある。  いやもう占領している時点でどんなええことも全部帳消しでアウトやろと思うのに、それでも少しでも免罪符を与えたい気持ちが。) この本を読んでいて自分が知らないことがたくさんあって(私は先日『歌われなかった海賊たちへ』を読むまで、同性愛者がナチス政権下で迫害され収容されていたことも知らなかった) 「正しさ」って、何なんだろうな? 片側だけの意見を聞くのは危険で、いずれもの意見を聞かねばと思う。 そのときに安易に極端な「プラスとマイナス」「善と悪」に飛びつきたい気持ちがある。 そのほうがわかりやすいから。理解しやすいから。 両方の意見を聞いて、そうしたら、結果は「中庸」になるんだろうか? それとも、多くの人の意見を聞けば、より黒か白かが多い方が「正しい」と分かるんだろうか? オセロの盤面みたいに? はたしてそれは「真実」なのだろうか? この本を読んでいて、一番思ったのはそのことだった。 「ナチスが行った”よい”こと」とはどういったものなのか? それはどういった目的で、どのようになされ、結果はどうだったのか? 私はそれをこの本で知って、信じる。 それはこの人が専門家で史実に基づいて研究の成果を述べていると信じているから。 でも「学識者」のなかには、信頼に足るように見せかけているだけの人もいる。 その中で、自分の「正しさ」の軸を、どこに向けて進めばよいのだろう。 知れば知るほど、方位磁石は回る。 強い磁力に反応する。 北を指す方向さえ、いつも静かに震えている。 けれどその「ブレ」がなくなったら、たぶん、きっと、私は終わりだ。

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リンネル特別編集 心と暮らしを整える 手帳&ノート術 (TJMOOK)​ 有名人を集めた本。 ノートよりはインタビュー多めなかんじ。 冒頭の香菜子さんという方は、娘さんとおふたりでオンラインショップをやってらっしゃるとのことだが、公私の区別をつけるためにタイムカードを導入したとあって、「いやその機械ふたりやったらいらんやろ!!」と突っ込んでしまった。 タイムカードの機械、安いのなら1万円台〜からあるみたいなので、別に無駄ではない…のか。 それこそノートに書いておけば…スマホのアプリじゃだめなんか…。 最近、一人目の妊娠中から9年くらいお世話になっていた宅配生協をやめた。 宅配生協で重宝していた調理品の冷凍がなくなったのは痛い。 チンするだけ、温めるだけのものがあると、ライフがゼロの日でもなんとかなったのだ…。 そのため、日々買い物にいかなければならない(週末まとめ買いしての作り置きも再度試してみたが、「安息日に私だけなんで働かなあかんねん」という気持ちになったのでやめた)。 そうなると日々いかに「簡単・安価・すぐ出来る・栄養ある・ごはん」を提供するかということを考える。 安い・早い・うまい+ヘルシー。 いやなにそれ要求高すぎへん。 ほんま無理。毎日毎日苦痛。私が前世で何をしたのか?という無限ごはん作り地獄である。 モウ・ワタシ・ゴハン・ツクリタクナイ この本に「くぅちゃん」さんの献立ノートがあって、これフォーマットいいなと思った。 横向きに日付と曜日、そしてその下に予定欄。 そして献立欄。 下部には「あるもの」「つくりおき」「買い物リスト」「今週の予算」。 これを書いて買い物に行けばよいのだそうだ…。賢い。 そして

日曜 リクエストデー 月曜 魚の日 火曜 揚げ物の日 水曜 肉の炒め物、煮物の日 木曜 一皿ものの日 金曜 麺の日 土曜 残り物一掃デー

と決めているので悩まないのだそう。 しかしこれをうちに当てはめて考えると、揚げ物はしたくないし(火曜日から揚げ物する気力ある?)、煮物は作り置きも兼ねた日曜がいいし、一皿と麺は土曜の昼に登場するから木金は避けたいな〜となって、結局採用されない。 なんかもう、 「肉か魚を焼いたもの」 「レンチンの温野菜か、そこから和えたナムル」or「レタスとかの生サラダ」 「豆腐とかちくわとか納豆とか」 の3つを永遠に出してたらあかんのやろうか…。

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ズボラ習慣をリセットしたらやる気な自分が戻ってきました [ わたなべ ぽん ]​​ 定期的にこういう本を読んで自分に気合を入れる。 だってほんまにズボラやし面倒くさがりだから。 そのくせ完璧主義なんですよ! 「まずは”先のばし”を改善しよう」で、「その場ですぐやる」「面倒くさくなったら”よーいどん!”でやっちゃおう」はほんまそれ。 さっさとテキパキ動いていつも時間内にいろいろ終わっている人って、これなんだよ。しかしこれができればこうなっていないんだよ。 環境を整えるのが一番だなと思ってます。自分の性格の癖をうまく仕組み化していくか。 (バレットジャーナルは効果があった)

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47m2、2人暮らし 大好きだけが並ぶ部屋作り [ 安藤 秀通(ひでまる) ]​​ ネットで人気の整理収納アドバイザーさん。 私は狭い部屋の家づくり本が好きで、この本もそれで手に取ったのだけど、著者の人生について書かれた自伝的な本だと思った。 もともとはディズニーストアや美術館などのミュージアムショップでVMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング)をやっていた方なので、センスも抜群。 男性パートナーとの2人暮らしをカミングアウトするまでについても書かれていて、「そうか、こういう『インテリア』系って、圧倒的に女性(主婦)が多くて、さらにそうじゃないコダワリ系の男性インテリアって単身者や夫婦ともインテリア好きという人だっていうパターンが多いよな」と自分で自分のバイアスに気づいた。 絨毯とグリーン、いいですよね。おいてあるとグッとオシャレ感が増す。 自分の家を見まして、ぐっちゃぁ…と散乱したアレコレを見て思う。 おしゃれな家、みんなこういうの、どうしてるの。

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素敵なあの人特別編集 小さく暮らす 決定版 (TJMOOK) ダウンサイジングした暮らしを見るのが好き。 これはシニア世代を対象にした内容。最近こういうの多いな。

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歳をとるのはこわいこと? 60歳、今までとは違うメモリのものさしを持つ [ 一田 憲子 ]​​ 年齢を重ねることへの抵抗感と、どう受け入れて生きていくかという話を期待して読んだらちょっと違った。 いろんな「こわい」への著者の意見をまとめたエッセイ集。 「性善説性悪説」の章で、「恐怖の裏側にある、自分が大切にしたい想い」という引用があってハッとしました。 怖いって、なにか大事なもの、大切にしているものが脅かされるから、感じること。 私の「嫌われるのが怖い」という思いは、人間嫌いとして偽悪ぶってふるまっていたのだけれど、そうではなくて、「人に興味があり、オモシロイと思っていて、近づきたいと願っているから」こそその逆になることを恐れているんだなと。 人と人のつながりが壊れて、離れていった経験があるから、信じられない。 でも、心の底では信じたいと思っているんだな〜。ずっと。 それを擬似的に物語の中で体験しながら、私は「それ」に触れたいと願っている。 ということに気づいて、電車の中で本を読みながら目を潤ませてしまった。

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時間をかけて考える 養老先生の読書論 [ 養老孟司 ] 養老先生の本が出たらとりあえず読む、となっている今日このごろ。 読書論ってあるから、養老先生が本を読むこと、知識を得ることについて云々かんぬん述べてらっしゃる内容だと思ったら、違いました。 「毎日新聞」2005年5月〜2023年12月の書評を集めたもの。 なんやねん。読書論どこいってん。笑 毎日新聞の書評は、毎回自分で本を選んで良いそうで、そういう意味では「養老先生ってこういうことに興味があって、こういう本を選んで、読んでいるのね」とわかるのですが、まあ大体が「養老先生が読みそう〜!」っていう本でした。自然科学系多め。 要は私とはジャンルかぶりしない系。 なので、読んでいても「これ読みたいな」とあまりならなかった…。 そのなかで、『大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件 なぜ美しい羽は狙われたのか』は面白そうだと思った。 フライ・フィッシングのためというその犯行動機が驚き。

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日本語が世界を平和にするこれだけの理由 [ 金谷 武洋 ] いわた書店「1万円選書」で選んでいただいた本。 (2022.02.06「2022年1月に読んだ本まとめ/これから読みたい本」) 2023.01.03「2023年の課題図書48冊」で読めなかった本の1冊。 ようやく読みました。 最初は眉唾で読み始めたけれど、読み終わる頃には「日本語が世界を平和にする」という著者の言葉にある程度納得してしまう。 「あなた」と「私」(YOUとI)の英語は、俯瞰して相手と自分を見ている。 日本語は主語を明確化せず、同じ目線で風景を見ている。 「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」の英訳との比較、「過ちは繰り返しませぬから」の意味。 読み終わる頃には「日本語の『世界の見方』をもっと大切にしたい」と感じたので、まんまと著者の罠にはまってしまった。笑 著者は、

1951年北海道生まれ。函館ラサール高校から東京大学教養学部卒業。ラヴァル大学で修士号言語学)。モントリオール大学で博士号(言語学)取得。専門は類型論、日本語教育

ということで、ずっとカナダで日本語教師をしていらっしゃった。 そのときの話(「とのぶー事件」など)も面白い。 日本語教師、いいですよね。国家資格になるし、ちょっとやりたいなと思っている。 …んだけど、「ちょっとやりたいな」で資格とるには結構ハードルが高い。

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そこのみにて光輝く (河出文庫) [ 佐藤 泰志 ]​ 同じく「一万円選書」で選んでいただいた本。 仕事をやめてブラブラしている男が、ライターをきっかけにパチンコ屋で知り合った男のバラック小屋を訪ねていく。そこには寝たきりの父、疲れた母、水商売をしている姉がいた。 どうしてこの本を私に選んでくれたのかな、と思いながら読む。 なんというか、「どこにも行けない」人たちの物語だと思った。 どこかに行きたくて、憧れていて、でも自分の足には鎖がある。 それを振り千切るだけの気力ももう、なくて。 主人公には、「お前なんやねん」とずっと思いながら読んでいた。「はっきりせえや」と。 でもこの煮えきらない感じ、まさに自分のことのようでもあるんだよね。

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不便なコンビニ [ キム・ホヨン ]​​ 2024年本屋大賞(翻訳小説部門)第3位受賞作ということで読んでみた本。 1店舗だけ、教員時代の退職金でコンビニを運営するヨンスク。 ある日、ソウル駅に財布の入ったカバンを置き忘れた彼女は、ホームレスから「カバンを預かっている」と電話を受ける。 独孤(トッコ)。その名前とおぼしき言葉以外、何も覚えていない彼は、礼儀正しく聡明で、勇敢だった。 ヨンスクは彼を自分のコンビニの深夜バイトとして働かせ始める。 そしてコンビニ店員や客たちは、独孤氏と接する中で変わっていくーーー。

コンビニとは人々が四六時中出入りする場所であり、客と店員の別なく、やってきては立ち去る空間だということ、商品であれ金であれ、給油して出ていく人間たちのガソリンスタンドのような場所であることを、彼女はよく理解していた。このガソリンスタンドで、私はガソリンだけ入れただけでなく、車そのものを修理した。修理が終わったら出発しなくては、再び行くべき道を行かなくては。

オムニバス形式で読みやすく、傷ついた心が恢復していく物語で、良かった。 町田そのこさんの『コンビニ兄弟』が好きな人は絶対好きだと思う。 トッコ氏は何者なのか?と読者は推理しながら読み進めるのだけど…最後に、この物語がコロナの影がある時を舞台にしていて、それがここにつながるのか…という思いがあった。 そして違う国の物語を読んでいると、訳注も含めその国では当たり前とされている「常識」的な知識が盛り込まれているところで「そうなんだ!」という発見があって面白い。 韓国では陰キャを「アッサ(アウトサイダー)」と呼び、陽キャを「インサ(インサイダー)」と呼ぶのだなとか、年配の人たちが「うすのろ熊助」と呼ぶこと、檀君神話に登場する熊の話(洞穴にこもってヨモギとニンニクだけ食べて祈ると人間の女になった)、人を殺しても性犯罪を犯しても医師免許が取り消されることはない(不死鳥免許)とか、自分より年上だったらコンビニの店員相手に飲むのでも敬意を払わないといけないんだなとか。 『不便なコンビニ2』という続編も出ているそうなので、ぜひ翻訳を待つ。

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ゴミの王国 [ 朝倉宏景 ] 表紙が可愛くて、タイトルも気になって、完全なジャケ読み。 この小説、良かったです〜!おすすめ!私のツボを付いてきた。 なんていうか私、「救い・救われる」という「傷からの恢復」過程の物語がすごく好きで、自分でもそういう話ばっかり書いているんですよ。 で、これは「ゴミ屋敷で母に世間から隠されて育ち、その後施設に保護され、成長してからもゴミを集めずにいられない女性・友笑」と、「徹底的に潔癖主義な家庭で育ち、汚れることが怖くてミニマリストのような暮らしをし、反抗心でゴミ清掃業務をしている男性・朝陽」の2人がアパートで隣り合うところから始まる物語。

「リアルな人生から、わざと距離をとってたんです。そうじゃなきゃ、耐えられなかったんです。自分の人生を、テレビに映ってるみたいに遠くから眺めないと、正気じゃいられなかったんです」

この友笑の気持ち、分かるなあ。 誰かに出会って、傷に、触れられるようになる。 傷は痛む。これからもそこにある。 けれど、それを今、「傷」として認識できる。 これまで目をそらしていた。「痛い」と思うことを放棄していた。 いやーーー知らなかったのだ、それが「痛い」ということさえ。 はじめから意識に上らないように黙殺した。存在を。自分を。心を。体を。 それが、「痛い」と、言えるようになること。 「ここに傷がある」と指し示せるようになること。 そこに重ねてくれる手が、あること。

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続けるほど、毎日が面白くなる。もっともっとマイノート [ Emi ]​​ 再読。 最近もうバレジャ(バレットジャーナル)熱がたかまりすぎて、でも今年の手帳はもうあるから使えなくて、とりあえずノート術系の本を読むことで欲求を満たそうという試み。 マイノートって、時系列別で自分の気持とかアイディアとかをジャンルを分けず1冊にまとめてどんどん書いていく(貼っていく、描いていく)もので、スケジュール機能のないバレットジャーナルみたいですよね。 過去のノートがずらっと積み重なっているのは壮観だし、素敵。 私は過去のノート(手帳)もある程度取ってあるけど(1人めの妊娠中〜今まで)、読み返すことはまあないので、「読みかえして、赤ペンで追記する(赤ペン先生みたいに)」っていうのは過去の自分を振り返ることが出来ていて良い。 使い方で良いなと思ったところ。 ・真ん中に線を引いて「事実」と「感想」を分ける。 ・「今までの人生を振り返って講演会をするとしたら、どんなテーマにするか?」を考える ・仕事のメモはA4コピー用紙を使用、クリアファイルに挟んでおき、終わったら処分かスキャン。 Emiさんが言うには、マイノートは「WANT」であって、タスクや予定は「MUST」で区別している。 仕事やスケジュールは、スケジュール帳で週単位で管理してらっしゃる。 ここがマイノートとバレットジャーナルの違いだなあ。 バレットジャーナルは予定もタスクも全部1冊のノートにまとめるものね。 しかしバレットジャーナルで難しいのが予定管理でもある。 だって月間カレンダー毎月作るの面倒くさすぎるし、未来の「○月○日」にある細かい予定やタスクを書くことができない。 ここらへんは、マンスリーとウィークリーのある手帳で管理して、日々のあれこれはバレットジャーナルでやっていくというのがいいのかなあ。でも二冊持ちになるの嫌なんだよね…。 予定管理はデジタルでやって、日々のタスクはバレットジャーナルという人もいるけども、私は一覧性がないのでデジタルの予定表は向いてなかった。 今はまだ5月なのに来年の手帳をどうするか考えている楽しい段階で、予定としてはA6のマンスリー・ウィークリーの薄い手帳に、A6のノートを組み合わせた2冊持ちバレットジャーナルにするかなあという感じです。

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OKUDAIRA BASE 春夏秋冬の暮らし方 料理、手仕事、おもてなし、道具のデザイン。28歳、自分が心地いい仕事と生活 [ 奥平 眞司 ] 著者の一作目を読んでいたので、二作目も読んでみた。 うーむ。 うーむ…。 私がもう時代遅れの人間だからかもしれないのだけど、「ユーチューバー」と「ユーチューバー」が結婚してその暮らしを配信して生計を立てている…という状況に「うーむ」となる。 いや別に他人がどうこう言うことじゃないし、好きなことして生活していけるならそれは羨ましいことなのだよ。 それでもなあ、なんだろうなあ。 丁寧な暮らし、癒し系の暮らし。 それを「つくって、見せる」ことが仕事で商売で、この人たちは生活自体が商品化されていて、それをコンテンツとしてパッケージ販売して消費されているということに対する根本的な矛盾を感じるというか…。 美味しそうなみかん貰ったから「みかんの動画撮ろう」っていうのが、もう毒されてない?気が休まらないことない?って思ってしまった。 というわけで、もやもやしながら読んだ。

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私が発達障害とわかったら読む本 お母さんの“疲れ“はASDやADHDが原因かもしれない (親子で理解する特性シリーズ) [ 宮尾 益知 ]​​ 私は問題を抱えて生きてきて、たぶんこれからもこのままだ。 で、そこに何かしらの「名前」がつけば、納得できたり対処できたりするのだろうか、と思うことがある。 私と似た特性がある妹は、心療内科に通っていて、医者からADHDの診断を勧められている。 医者を転々としてきた彼女が、今回あたった医者の指摘が私にも当てはまりすぎる。 凸凹の凹を、凸の部分で補うため、非常に日常生活を送るだけで疲弊すること。 (ほかの人間はそんなに色々と考えていないんだよ、という指摘に驚愕する私達) いまだに、何が「普通」かわからない。 それはどこに書いてあるんだろう。何を読めばわかるんだろう。 どれだけ学べば、理解できるんだろう。 どれだけ覚えれば、「ふつう」の世界に属せるんだろう。 「ノマちゃんは、ちょっと変わってるね」と言われ続けて、そのたびに怖かった。 おかしいのは世界ではなく自分の方なのだと、わかっていた。 私にとって世界は、扉のない小さな狭い部屋に、ひとつだけある高い窓。 けして届かないそこから、切り取られた世界が見える。 私はずっとそれを見上げている。そこにある意味がわからないまま。 浴びるように本を読む。食べるように文字を読む。 そうすればいつかわかるかも知れないと。 この本を読んでも、「私はこういうところあるな」が複数あてはまるので、結局私は何なんだろうな?となった。 そして対処法も、「まあ結局ヒトマネと訓練っていう子供の頃からしてきたことをやるしかないってことだよな」という話。 「情緒的な関わりができない」とか当てはまりすぎて辛いもんな。 自分が子供の頃から触られるのが嫌いだったし(ビクッとなって振り払ってしまう)、今も自分の子供に触られるのも嫌い(さすがに我慢している)。 子どもが「まま、だいすき」と言ってきたら、「なんで私なんかを好きっていうんだろう」と思う。 本によれば、ADHDにはオメガ3脂肪酸や鉄サプリメントASDにはビタミンB6やマグネシウムサプリメントが効果をあらわすこともあるらしい。 またマルチサプリメントとか飲もうかなー。 診断されようがされまいが、「今のこの自分」で生きていくしかないという寛解。 積み上げた本が、いつかあの高い窓まで届いたら。 私はそこから「あちらがわ」へ行けるかも知れない。 そこに鉄格子はない。

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【完全版】すごい英語独学 [ Sakura English ]​​ 定期的に英語のモチベーションをあげるためにこういう本を読む。 「英語が必要な理由」を明確にする ↓ 「英語を話せる」を定義する ↓ お手本を見つける ↓ どう使うかを考える ↓ 未来をイメージする という「英語を身につけるステップ」は参考になる。 私はすべてがフワッとしているから、なんというかもう「歯磨きをするように」英語を学んでいるだけなんですよ、日々。 それはそれでいいのだけど(習慣化)、英語を「使って」何がしたいのか、だよねえ。 「英語で本が読める」というのは、かーなーり高度な英語力を必要とする(理解のためには背景知識も必要になる)ので、それこそ毎日歯を磨く用に英語を勉強していくしか無いんかな…。

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仕事の基本をひとつひとつわかりやすく。 (ビジネスをひとつひとつ) [ Gakken ] びっしり文字が書かれたかなり情報量の多いハウツー本。 新入社員、これから社会に出ていく人におすすめの内容。 でもさあ、まわり見回してみてさ、こういう「基本」がちゃんと出来ている社会人ってそんなにいないのでは? 特に年配の男性になってくると、なんとなく許されるからというのか、仕事でメモも取らないとか普通にあるやん? だからこそこういう「基本を押さえる」ってそれだけで社会人として高評価だし信頼されるんだね…。 ちなみに私は全然出来ていないから、読んでいて「うへえ」となっていたたまれない。 社会人になって何年経つのだ。 「デスクの上はパソコンと電話だけにする」は実行したい。 すーぐにぐっちゃんぐっちゃんになる。

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東大教授がゆるっと教える 独学リスキリング入門 (単行本) [ 柳川範之 ]​ 小学4年〜中学1年は、父親の海外転勤についてシンガポールへ。 中学卒業後は、ブラジル転勤へ帯同。 高校は独学で大検(いまの高卒認定試験)を受け、大学は慶應義塾大学経済学部通信教育課程へ入学。 海外で暮らしながら大学を卒業し、東京大学大学院へ進む。 現在は東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授。 という経歴の持ち主なので、「リスキリング」というよりは「独学」のお話。 引きこもりや不登校の子どもやその保護者、自らの学びを追求したい社会人にすすめたくなる本だった。

すごく細い一本の道しかなくて、みんなが通るその道からちょっとでも外れないように、また遅れないように走り続けるというレースをしているみたいです。(略)「この狭い道だけが、歩ける道じゃないんだよ」「ここから転げ落ちたって全然大丈夫だよ」ということを、多くの人に知ってほしい思いが強くあります。生きるうえでかなり楽になるだろう、と思うからです。

ね?勇気づけられるでしょう? 私も最近「この道をずっと行っていいんだろうか?」と強く感じている。 けれどこの一本道から外れるのも怖くて、ここを歩くしか無いような気がしているんだ。 「固有名詞と専門用語を使わずに、自分の仕事を語れるか」 「ある具体的体験から得た知恵を、別の場面に応用できているか」 という毎日の小さな学び直しのチェック法は、「そうだな」と思いました。 社会人になって身につけたアレコレ、自分の会社でしか役に立たないんじゃない?って思う。 でもそれ、ほかに語って・応用できることもあるかもしれない。

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物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術 [ けんすう(古川健介) ] 著者は、起業家。 「マニュアルどおりにやれば、誰でもうまくいく可能性が高い」として、「最初は自分の頭で考えない」ことを勧めて書いたキャリアの築き方本。 自分のキャラ設定→キャラの活きる環境づくり→キャラで物語を動かす という流れは、まるでRPGや小説のつくりかたみたい。 で、「いや、そんなこと言っても自分は自分だし、今更キャラ変するのもね」って思ってたんですが、腑に落ちたのは、引用されていた矢沢永吉の「俺はいいけどYAZAWAはなんて言うかな」というエピソード。 私、これ伊坂幸太郎の小説の中の「俺はこんな俺を許すのか?」をたびたび思い出すことで使っているなあと思ったんです。 つまり、「こうありたいというキャラクター設定の自分」と、「現実の自分」のギャップを、現実の自分が辻褄合わせに埋めに行く。 そうすることで「キャラクター設定上の自分」と同一化されていく。 だとしたら、キャラクター設定めっちゃ大事じゃない? 著者は言う。 人生は、「あなたという主人公が、なりたい自分になるための成長物語」。 そして、「未来になりたい像から逆算し、そのなりたい像に向かって進めるキャラを作って、行動していく」物語思考で、思考と行動を変えていく。 そこで当たり前のことに気づく。 この物語の主人公は、私以外にいないのだ。 脇役であって、端役であって、取るに足らないと感じていても。 私の物語では、私が主役なのだ。 さて、その物語は魅力的なものですか?

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自分ものさし仕事術 ブレずにストレス0で成果を2倍にする方法 [ 吉野創 ] 人生迷子なので、こんな本ばかり読む。 キャリア・プラトー。 これは組織の中での・仕事を通じた・自己実現という内容でした。 「ミスを恐れて何もしない人生にどれほどの価値があるのか」という著者の言葉に考えさせられる。 「何もしなければミスもしませんが、その代わり何の成長も得られない」。 働き始めて十数年。 組織の中での自分の立ち位置が見えてくる。 このままの十年後、二十年後、定年する自分。 今、右に行くか左に行くかで、到達する地点も変わってくる。 でも、はたして私は「そこ」へ行きたいんだろうか? 私はどこへ行きたいんだろう? 「少なくとも今の自分自身が何らかの理由で選んだ仕事の意味を深く考えることが、とても大切」だと著者は言う。 そうだった、私が今の仕事を選んだんだった。配属ガチャは別として。 なんでだったっけ? そのときは確か、「一生働き続けて自分で自分を養っていけること」を一番に置いていたような気がする。 であれば、私はこの組織の理念ではなく、雇用形態に惹かれたわけだ。 出世ではなく、細々と働き続けて、好きなことをするというのもアリなんだよなあ。 「1日10分だけ、他部署のメンバーを手伝ってみよう」というのは、すごく良い提言だと思った。 実現の困難さは別として(「なんでそんなことやってるの?」って言われるやん?)、私はそういう組織で働きたいし、そうありたいなあ。 他部署の人に何かをお願いするときは、「相手にとってのメリット」も提示できるように心がけている。 そして私がそのもらった情報なりで「何かをした」ときは、その結果のフィードバックもお伝えするようにしている。 おせっかいで厚かましくて鬱陶しいなと自分に思いながら。

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お金に好かれる働き方 [ 斎藤一人 ]​​ 高額納税者番付に名前が載っていた人たちの語る「お金に好かれる働き方」。 なぜある一定の「金持ち」を超えると、スピリチュアルなメッセージが多くなってくるのか不思議なのだが、そこには共通する項目があるので、おそらく理屈ではない正解のようなものがあるんだと思う。 人生の岐路に立った時、 「こっちの道に行っても私は幸せになる。  あっちの道に行っても私は幸せになる。  だとしたら、私はどっちの道に行きたいか。」 ということを問うたらいいんだそうだ。 これ、どうしても道に迷ったときって「メリット・デメリット」で考えて、すこしでもリスクの少ない方を選ぼうとしがちじゃないですか。 そうじゃなくて、「どっちでも幸せになる」という結論があったら、「どっちに行きたいか」ってすごくシンプルでわかりやすいなと思った。 だってつまりそれは、「ほんとうは自分がどうしたいか」ということだから。 今の会社に変わってきた年上の女性がいて、その人に「どうしてここに来たんですか?」と尋ねたら、「どっちを選んでも大変だから、そういうときは一番大変そうなほうを選ぶようにしてる」とおっしゃっていた。 それはそれですごい心構えだなと思うのだが、私は萎える。 間違いなく一番楽そうなほうを選ぶ…(はたから見ると私は「大変そうな方を選んでる」ように見えるのだそうだが、それは結果的にそうなっているだけ!) 私が行きたい道、どっちだろうな。

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ホットプレートと震度四 [ 井上 荒野 ] 食とキッチンツールをテーマにした短編集。 私は「錆び釘探し」が好きでした。 恋人から妊娠を告げられた小説家。 今? 心が固まらないまま結石を出すために散歩に出た先で、小説家は不審な年配の男性を見かける。 聞けば、妻と喧嘩して家を出てきたのだのいう。 喧嘩の原因は、彼女が母から嫁入りのときに受け継いだ、黒豆を煮るのに使う「錆び釘」を間違えて捨ててしまったこと。 代わりになる錆びた釘を探しているが、なかなか落ちていない。 このシチュエーションが良い!

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翻訳に生きて死んで 日本文学翻訳家の波乱万丈ライフ [ クォン・ナミ ] この間読んだ『ひとりだから楽しい仕事』が面白くて、その前の作品も翻訳が出たので読みました。 娘さんが小さいときのエピソードが微笑ましかった。 そして、こんな方でも難しい翻訳は「知らない単語、わからない文章だらけ」だというのだから(況んや私をや!)。 翻訳の裏話に、日本語と韓国語の違いについても書いてあり、「へえー!」と思いながら楽しく読みました。

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ごはんのおとも [ たな ]​​ 思わず涙ぐんでしまう料理本…物語漫画…?? ストーリーがちゃんとしてるというか、レシピなくてもいけるくらいのストーリー性でオススメ。 この方の絵柄とても好みで、どこかで見たことがあるような…ないような。 たまごの醤油漬けが美味しそうでした。

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ごはんのおとも 2 [ たな ]​ 続き。 カチューシャの話(「産毛のこころ」)がせつなかった…。

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今すぐはじめられる NISAとiDeCo [ 川部紀子 ]​ 新NISA対応版も出ているのだけど、私が読んだのは旧NISAのもの。 なにせ「よしたにさんだー!!」と思って。 『ぼく、オタリーマン。』のよしたにさん! これを読んだところ、いまは専業漫画家になってらっしゃる! iDeCoとNISAをまったく初めてやる人向けの内容。 しかし私はよく理解しないままやってるので、こういう本を読むたび勉強になります。 iDeCoは、出口戦略考えないとねー。

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心と頭がすっきり片付く バレットジャーナル活用ブック [ 平和堂 ]​ バレジャ熱が高まりすぎて再読!(笑) とりあえず、いま使っている手帳で、公式のキーで運用してみようかと。 今の私のキー ◯予定 (家族それぞれの予定は、◯の中に名前の英頭文字) ・メモ □タスク  ⊿タスク着手 □にナナメ三角  ■タスク完了 □を塗り潰す(予定◯は完了しても塗らない)  〈マンスリーに書くタスク  〉別の日に繰りこすタスク  =タスク消滅 □ごと二重線で見え消し  (未完了タスクを目立たせるときは、□を蛍光ペンで塗る) どーしても本家のタスク・からの完了✕が「ペケ、バツ」でマイナスな印象を受け取るのが嫌で、長らく□を使ってきました。 でも、□を書くのがめんどくさいなと思うことがあり…。 ✕を「二刀流の剣で切りつけて相手が死んだ」と考えれば、「タスクをやっつけた」と認識できるのでは?とポジティブ変換してみる。 …行けそうな気がする。 公式にはないけど、着手は・に/で「タスク半殺し」と思えばいいな…。 というわけで、月曜からの手帳のウィークリーページは ◯予定 ・タスク  /タスク着手  ✕タスク完了  〈マンスリーに書くタスク  〉別の日に繰りこすタスク  =タスク消滅 にしてみようと思います。 あと、旅行日記に使っていた無印良品の文庫本ノートのあまりページで、バレジャではないけれども、「将来についてのあれこれ」なんかを書いていこうかと(A6サイズ久々なので、どれくらいの文字量がいけるかなどの練習)。 無印良品の文庫本ノートでバレジャしたいんよ…。

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どんな人でも1番結果が出る勉強法 合格は「あたりまえ化」の法則 [ 宇都出 雅巳 ]​ 大人の「資格試験」対策勉強法に特化した内容。 ・まず過去問から勉強を開始する。理解度にとらわれずとにかく何度も繰り返す。思い出す・語るにより記憶を定着させる。 ・そしてハードルを下げて下げて下げまくって、とにかく必ず毎日勉強を続ける。 ほかの本でも言っていて「なるほどな」と思ったのが、資格試験って百点取る必要ないんですよね。 70点が合格ラインなら、70点が取れたらいい。 それが学生時代の勉強とは大きく異なるところだ。 「〇〇の試験に合格した自分」から逆算して、今の日々の行動を変えていくというのは、先述の『物語思考』でも言っていたキャラクター作り(設定)なのだろう。 子どもが大きくなるまで(下の息子が18歳になるまで)、とりあえずは今の仕事を続けようと考えていた。 そうしたら、あと12年ほどになる。そのとき、私は50歳。  あと12年。その間、何をしようと思った。 手っ取り早いのは、資格を取ること。 安定した収入を維持したままであれば、資格勉強もしやすい。 何も縛りがなければ、何の仕事をしたいか? ライター?司書?学校司書?国語教師?英語教師?日本語教師? これら私の「これからやりたいこと」に共通するのは、「ことばに触れる喜びを他者に伝えたい」。 言語オタが合法的にジャンル布教できる職とも言う…。 ライター…は資格はない。(ブログで文章を書くのは練習になるんだろうか?) 司書と司書教諭、国語教師の資格は持っている。 英語教師は、高校なら同校種他教科免許状取得が出来る。 都道府県で履修相談(必要な単位の相談)→大学の通信過程で科目履修生(10万〜20万程度?)→申請。 教員は慢性的な不足状態で通年講師募集をしている(産休代替や育休代替もある)。 日本語教師は、通信で取得できる(実習が4〜5日ある。創価大学なら土日オンラインあり)。 しかし通信でも、大学系は取得するのに30〜50万くらいかかる…。 そこまでして私はその職がやりたいのだろうか…?? 独学系の資格なら、社労士や宅建士、キャリアコンサルタント、FPなど。 しかし今の仕事に役立つが、別にそういうことがしたいわけじゃないんだよな。 それでも今から何にでもなれると考えることは、わくわくするよね。 やりたいこと全部していいし、やらなくてもいい。 それは私が決められるんだ。

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ぼくたちは、なぜこれを選ぶのか [ ミニマリストしぶ ]ミニマリストの選ぶモノリスト。 …なんというか、マキシマリストとミニマリストは表裏一体ということを思う。 モノへのこだわりが強い。 「なんでもいい、どうでもいい」物欲解脱系の人って少ない気がする。 まあ、家にあるものが少ないと、その一つ一つの存在感すごいからね。 でも次々買い替えたりプロデュースしたりしてる人達を見ると、「ミニマリストって一体???」と思うんだよな。 紹介されていた中で私も使っていて激しくおすすめするもの ・マキタの充電式クリーナー(コードレス掃除機) ・イッタラティーマ(皿) ・エアリーマットレス →うちはこれを直接敷き布団にしてる。  分厚いの✕1と軽いの✕2があったので、  軽厚軽の3連を作ったら寝心地が良くなり、布団の上げ下げも楽になりました。  (厚いマットレスが重かった!) ・無印良品シリコーン調理スプーン →一人暮らしを始める人全員にプレゼントしたい。  しかしお玉はいると思う。掬いづらい。

ふりかえり

今年の読了本がすでに100冊に届きそう…。 このペースで行くと、年に200冊だ…。 どこに行ったんだ、年始の「今年はあんまり本を読まないぞ!」という意気込みは。 まあ無理なんだろうな。生きていると息をするように本を読んでしまうからなあ…。 そこを勉強の本に置き換えたらいいじゃん! と、置き換えダイエットみたいなことを思いついたのだけれども、やはり読書と勉強は同じ活字であっても違う。 食指が動かない。 まあどうしても読むものがなければ我慢して読むのだけど(活字中毒だから)、「そういう気分じゃないんだよな」という思いを拭えない。

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2024年4月に読んだ本

読了

 4月に読んだ本は18冊でした。 『木挽町のあだ討ち』 『化学の授業をはじめます』 『歌われなかった海賊へ』 『ムラブリ』 が良かったです。 毎週の学習記録の下の方に「その週に読んだ本」も追加するようにしたので、以下はその投稿記事からの抜粋まとめ。 一番下にふりかえりがあります。

2024年4月に読んだ本
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木挽町のあだ討ち [ 永井 紗耶子 ] 冒頭で「そんな簡単に首切れへんやろ」と思っていたので、ラストは「さもありなん」。 でも、こういうリレー形式というかカルテットみたいな重声音的な物語、大好物なので読んでいて楽しかった。 それぞれの関係者を訪ね歩き、ある事件について訊いていく、そして同時に語り手の人生を知る。 「仇」討ちが「あだ」と表記されているところがポイント。

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極楽征夷大将軍 [ 垣根 涼介 ]​​ 超絶ブラコン物語。 徳川家康的な話かとおもったら足利尊氏だった。 前半の室町幕府建立までのターンは面白くてワクワクしながら読んだけど、後半はつまんなくて飛ばし読み。読みながら何度も睡魔に襲われた…。 2段組で余白も狭く、552pあるのでかなり読み通すのは大変。 後半を読みながら「これ読んでるならもうほかの本読みたい」ってなってた。

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乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…12 (一迅社文庫アイリス) [ 山口 悟 ]​ 出ていたのに気づいて読んだ。 ジオルド王子に新たな婚約者候補?それはなんと、魔法学園の後輩・フレイで…。 毎回「誘拐→乗り込む」方式だなあ。 しかもその見せ場が後半にあるのにさらっとしていて、前半の職場描写が長かった。 同一場面複数視点描写はなくなったので、物語としてはだいぶスッキリ読みやすくなった。

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化学の授業をはじめます。 [ ボニー・ガルマス ]​ 面白かった! 1960年代アメリカ、男女差別により化学者として認められていないエリザベス。 ひょんなことから彼女は、お料理番組に出演することになって…。 思ったことはすべて率直に口に出す彼女の発言は、物議を醸す。 しかし番組を通じてテレビの前の女性たちに語りかけるエリザベスに、女性たちは魅了されていく。 あなたのしている仕事ーーー料理には、家事には、価値がある。 たとえそれが誰にも顧みられなくても。 あなたには何でも出来る。

自分になにができるかできないか、他人に決めさせない。

四角四面で猪突猛進な超絶KY主人公に既視感があって、誰だろう…?と思っていた。 『義母と娘のブルース』の亜希子さん?『成瀬は天下を取りにいく』の成瀬? 私はこういう森羅万象なぎ倒し系の主人公が好き。 内容としては『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』も思い出した。 周囲の登場人物も魅力的で(犬好きにもおすすめ)、「そことそこがくっつくんだ!?」とか、最後の「あの人がそうだったんだ?!」という物語の展開の面白さもあって、エンタメ小説でありながら勇気づけられて元気が出るお話。エリザベスが番組の最終回で述べる締めの言葉もかっこいい! この本は著者のデビュー作で、AppleTV+で「レッスンinケミストリー」としてドラマ化されているそう。

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歌われなかった海賊へ [ 逢坂 冬馬 ]​ タイトルから、勝手に海賊モノ(アドリア海の海賊的な)と思っていたら、違いました。 舞台は、1944年ドイツ。 反ナチ・反体制を標榜し、「エーデルヴァイス海賊団」を名乗る少年少女たちの物語。 街に敷かれた鉄道。しかしその先には何があるのか? 彼らは線路をたどり、そこで目にする。うっすらと「そうではないか」と思っていたそれ。 強制収容所。 少年少女たちは、連合軍の不発弾を使い、線路の爆破を計画する。 そして彼らはーーー。 『歌われなかった海賊へ 歌わなかった住民より』 現代、ドイツ。 自宅の庭に立て札を置き、鉄条網を巡らせる老人。その言葉の、意味。 皆は、見ないふりをした。駅で止まった貨物列車の中から腕が生えてきても。 知らなかったのだと、自己を正当化するために。 2020.08.31「147.ベルリンは晴れているか [ 深緑野分 ]」 2020.09.08「155.戦争の歌がきこえる [ 佐藤由美子 ]」 を思い出した。 集団記憶。そして、上書きしたのっぺりとした「戦争」の記憶が共有され、引き継がれる。 目をそらし続けて、忘れたふりをして。 今だってそうだろう、とふと思う。 知らなかったのだ、出来ることはなかったのだと、歌わないまま。

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街とその不確かな壁 [ 村上 春樹 ]村上春樹、6年ぶりの最新長編。672pと分厚い。 内容はいかにもな既視感のあるワードと設定の村上春樹ワールド。 私は正直、初期短編が一番好きなので、最近はもう惰性で追っている感じなのだけど、それでも「長編1200枚」を最後まで読ませる筆力はすごいなと思う。

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ふつつかな悪女ではございますが6 ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~ (一迅社ノベルス) [ 中村 颯希 ]​ 中華風ライトノベル第6段。 次代の皇后の座を巡って争う雛女(ひめ)たちが自らの足で立ち上がった今回。 大団円!かと思いきやのラストでまた続きが気になる。 私は一貫して慧月さまが好きです。不器用で、ひねくれていて。

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ジブン手帳公式ガイドブック2024 [ 佐久間 英彰 ]​ 一度も買ったことがないのに毎回読んでます…。 デコしてあるより、黒一色で文字がびっしり書いてある実用的な手帳を眺めるのが好き。 しかし私は去年鉛筆一色で手帳を書いていて、今年4色+シャーペンにしたら視認性が高まり快適です…。 (赤…プライベートの予定、青…仕事の予定、緑…自分だけの希望など、黒…終わったことの記録、シャーペン…仮の予定。未完了の繰越は黄色のマーカーでなぞる)

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人生が劇的に変わる「瞬読式」時間術 忙しさから解放され、本当にやりたいことに集中する (単行本) [ 山中 恵美子 ]​ 速読本かと思ったら時間の使い方についての本でした。 書いてあることはいろんな時間術の本に書いてあるのと同じなのだけど、読み返すたびに「そうだよなあ」と思うから私もたいがい進歩しない。

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ガチ速FIRE 知識ゼロ貯金ゼロからたった5年でセミリタイアする最強の株投資・資産形成 [ 森口 亮 ]​ 特に目新しいことは書いてなかった。 住居費のリセールバリューを考えるとかは他のひとあんまり言ってないような。 しかしこういう人が「おすすめの銘柄」を紹介したらそれだけで株価あがりそうだ。 私は今37歳で、「40で仕事辞められたらな〜」と思ったけどおよそ現実的ではないので、とりあえず下の息子が義務教育を終えるまで(あと9年)と考えて、であれば高校卒業(あと12年)でちょうど50になるのでそこで辞めようと思う。 そのために頑張って資産形成しつつ、「別のこと」にチャレンジできる保険としての自分のスキルを磨こう。 夫にもこういった本を読ませて洗脳しているのだが、夫は「いつでも辞めれるっていう状態になって仕事し続けたいかな〜。それで60で早期退職する」と言っています。 夫に「50で辞めたら、一番給料いい時やからもったいないで」と言われて心揺れる。 もうひとつの選択肢として、降格して細々ゆるゆる働く、というのもアリなのかもしれず。

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ズボラな僕でもお金が貯まるようになりますか? [ 富雄美智 ]​ 前から思っていたのですが、すべてのものにBLをかけ合わせたら新しいジャンルとして読者を獲得できるのでは? 英会話✕BL、資産形成✕BL、簿記検定✕BLみたいな。 これは、資産形成について浪費家のワンコ系後輩が、お金に詳しい出来る先輩に訊いていくという会話形式で進む。ブロマンス風味だけどBLではない。イラストはBL作家さん。 内容はがっつり金融の内容で、知らなかった情報(コア&サテライト戦略)もあって、良い本でした。 私としてはもっとこうがっつりBLに寄せていって、なおかつストーリー性も取り入れていくのがいいと思うんですよね…(本の中身頭に入ってこーへんわ)。 「二次創作したくなる実用書」。よくない?

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世界のニュースを日本人は何も知らない5 - なんでもありの時代に暴れまわる人々 - (ワニブックスPLUS新書) [ 谷本 真由美 ]​ 「へー」と思いながら読む薄い本。 「ガザ地区を足立区に置き換えてみると」のたとえはかえってわかりにくかった。 AIが大量の二酸化炭素を排出するというのは意識していなかったなあ。

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受験生は謎解きに向かない (創元推理文庫) [ ホリー・ジャクソン ]​ 『自由研究には向かない殺人』の前日譚。 ヒップがなぜ殺人事件を自由研究に選んだのか。 友人宅で行われた殺人解決ゲーム。 こういう、「自分が犯人かどうかわからない」状態で情報を次々に開示されて、役割を演じながら推理するのって楽しそう。

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エッセイストのように生きる [ 松浦弥太郎 ]​ 「今日もていねいに」 というこの方の文末の結びの言葉に違和感と反発を覚えていたのだけれど、本の中でご自身が「ていねいとは感謝すること」と書かれていて納得した。 エッセイストのように生きるーーー目を開いて世界を見る。ちいさな秘密をささやく。

「どんな人間になりたいか」を問いつづける

子供に「将来何になりたい?」と訊かれて、大人になった自分は「何になりたいのか」と思う。 それは「何になりたくて」「何になれなかったのか」でもある。 痛みをともないやわらかな部分が反応する。 好きだったこと。手放したこと。 飛んでいく風船のように眺めた日。 糸の切れ端を未練がましく手に握りしめたまま。 そして今また、「どんな人間になりたいか」という終わりのない問いを己に向けたなら。 なんと答える?

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収納上手のインテリア 押入れ [ 成美堂出版編集部 ]​ 我が家にはクローゼットなんて洒落たものはなく、オール押入れ。 私は押入れラブなので、人の押し入れを眺めるとうっとりする。 この本は一冊丸ごとひたすら押し入れが紹介されていて眼福。 私は、衣装ケースや棚やハンガーがびっしり詰め込まれて、「収納は全部ここです!」というタイプの押し入れが好きです。

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本好きの下剋上第五部「女神の化身Ⅻ」(5-12) [ 香月美夜 ]​ 本編最終巻でした! いやもう砂吐き砂糖エンド。 一冊まるごとフェルディナンド様の吹っ切れたデレにやられました。

「私にとっては全ての女神がマインだが?」

これはエーレンフェスト後世に語り継がれる恋物語ですね…っ!! このあと番外編で婚約式のフェルディナンド様の熱烈な誓いのお言葉も暴露されるようで楽しみです。 現代日本からの書痴から転生、下町での紙がない暮らし、からの長い長〜い旅路を経て、ついに図書館都市の領主に! まさに「本好きの下剋上」でした。おつかれさまでした!

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ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと [ 伊藤 雄馬 ]​ 2023.04.22 084.語学の天才まで1億光年 [ 高野秀行 ] にたしか「ムラブリ」の話が出てきたと思って、その方の本も読みたいなと思っていた。 著者は1986年生まれで同い年。 なんというか、この人の「もっと違う生き方、やり方、暮らし方があるのではないか?」という焦燥感みたいなもの、分かるなあと思って読んでいた。 私が好きな本の傾向もそれで、ジャンルやテーマは違っても通底する根源的な「問い」が同じだと感じている。 森の中に住む狩猟民族、ムラブリ。 彼らの挨拶に「こんにちは」といったものがなく、「ご飯食べた?」「どこ行くの?」がその代わりとなっているという話、インドネシアにいたときを思い出した。 毎回「Dari mana?(どこ行くの?)」と訊かれて、都度「〇〇に△△しに行くんだよ」と答えていたんだけど、ある時みんなそんなに真面目に答えていないことに気付いた。 この場合の正解は「Jalan-jalan(ちょっとそこまで散歩だよ)」だったのだ。 ムラブリの言語の「時制」もインドネシア語と似ていると感じた(インドネシア語には時制がなく、sudah(もう)をつけると過去になる)。 で、まあなんでそんな超マイナー少数言語を勉強するねんな?と何百回も著者は訊かれる。 ムラブリ語を研究することを通じて、ムラブリの身体性を身に着けてきた著者は、考える。 給与明細のこの金額はなに?お金はこれだけ必要?自分が生きるのに必要なものは? 自分ひとりでは何も出来ず、生きることを外注したまま、自分は生きていくのだろうか? 著者は言う。

「あなたを含む世界のために、ムラブリ語をやってきたんです」と答えることができる。「ぼくがその成果です」

違う言葉を通して見える、違う世界。 AI翻訳はそこに身体性を伴わない。

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成瀬は信じた道をいく [ 宮島 未奈 ]​ 2023.10.15 229.成瀬は天下を取りにいく [ 宮島未奈 ] の続編(本屋大賞受賞おめでとうございました!)。 前作読み終えて思わず滋賀県民に「これめっちゃおもろいから読んで」と連絡したくらいなので、続編も楽しみにしていた。 安定の成瀬。成瀬のその後が知りたいと思っていたから嬉しい。

「先のことはわからないからなんとも言えないが……。何になるかより、何をやるかのほうが大事だと思っている」

でも前作のときの「なるせー!!」というインパクトはある意味成瀬に慣れてしまってなかった。 お話もきれいにまとまってしまって、なんか青山美智子さんの短編みたいになっちゃったな…(別にそれが悪いわけじゃないんだけど、読みやすいんだけど)という感じがした。 成瀬視点がひとつくらい入っていたら良かったのにな〜。 新キャラもたくさん登場して、この後も続けられそうなくらい膨らませているんだけど、こればっかりシリーズ化するのはやめて、ほかの作品をぜひ書いてほしい。

ふりかえり

本屋大賞2024の結果が出ましたね! ■読了○未読で分けてみると、 ■大賞『成瀬は天下を取りにいく』 ○2位『水車小屋のネネ』 ○3位『存在のすべてを』 ○4位『スピノザの診察室』 ○5位『レーエンデ国物語』 ■6位『黄色い家』 ■7位『リカバリー・カバヒコ』 ■8位『星を編む』 ○9位『放課後ミステリクラブ1金魚の泳ぐプール事件』 ○10位『君が手にするはずだった黄金について』 4/10冊しか読んでいませんでした。 これでは本好きを名乗れませんな!笑 昨年度はノミネートの時点で「全部読むぞ」と息巻いていましたが、今年はそんなに食指も動かず。 でも、ノミネート作はぼちぼち読んでいきたいなあと思っています。新しい作家さんに出会う良い機会ですしね。 翻訳部門は、 ○1位『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』 ■2位『卒業生には向かない真実』 ○3位『不便なコンビニ』 韓国作品強いなあ。これも未読のものは読んでおきたい。 超発掘本の『プラスティック』も気になるので読もうと思う。 本屋大賞受賞にともない、いろんなところで作者の宮島未奈さんがインタビューされていたりで、作品がなぜ生まれたのかということをお話されていて嬉しかったです。 そして2024年から、「本屋大賞 ノンフィクション本大賞」がなくなったのは残念。 ノンフィクション本こそ、「作家買い」があまりないから、「へえ、こんな本があるんだ」とこの受賞で知れたのにな。


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2024年3月に読んだ本まとめ

読了

 3月に読んだ本は17冊でした。

2024年3月に読んだ本
033


本好きの下剋上第五部「女神の化身Ⅺ」(5-11) [ 香月美夜 ]

034


続 窓ぎわのトットちゃん [ 黒柳 徹子 ]​​

035


わたしに会いたい [ 西 加奈子 ]​​

036


星を編む [ 凪良 ゆう ]​​

037


ぼくたちに、もうモノは必要ない。 [ 佐々木典士 ]​​

038


777 トリプルセブン [ 伊坂 幸太郎 ]​​

039

040


カラフルな魔女 角野栄子の物語が生まれる暮らし [ KADOKAWA ]​​

041


ふつつかな悪女ではございますが4 ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~ (一迅社ノベルス) [ 中村 颯希 ]

042


いい子のあくび [ 高瀬 隼子 ]

043

​​
ふつつかな悪女ではございますが5 ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~ (一迅社ノベルス) [ 中村 颯希 ]

044


名探偵じゃなくても [ 小西 マサテル ]

045


団地で見つけた身軽で豊かな暮らし方 (別冊ESSE)​​

046


外科医エリーゼ(1) [ Yuin ] ​​

047


一億三千万人のための『歎異抄』 (朝日新書935) [ 高橋源一郎 ]​​

048


週40時間の自由をつくる 超時間術 [ メンタリストDaiGo ]

ふりかえり

『続窓ぎわのトットちゃん』、時間を置いての続編発刊だったので、あの素晴らしい『窓ぎわのトットちゃん』が台無しになってしまわないかと危惧していたのですが、なんのことはない、前作そのままの空気感の素晴らしい続編でした。間を感じさせないくらい。 人生に煮詰まってくると手帳本とミニマリスト本を読み出してしまう。 ということで、『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』を再読するなど。 読み終わって、猛然と子どものおもちゃを整理しました。 それでもごっちゃごちゃしているんだ…。

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2024年2月に読んだ本まとめ

読了

 2024年2月に読んだ本は、17冊でした。

2024年2月に読んだ本
016


私たちの世代は [ 瀬尾 まいこ ]

017


山ぎは少し明かりて [ 辻堂 ゆめ ]

018


私労働小説 ザ・シット・ジョブ [ ブレイディ みかこ ]

019


図書館のお夜食 (一般書 428) [ 原田 ひ香 ]

020


素敵な圧迫 [ 呉 勝浩 ]

021


気分も効率もみるみるアップ! 文房具から始める勉強法入門 [ みおりん ]

022


「思考」が整う 東大ノート。 [ 西岡壱誠 ]

023


【推しの子】 ~一番星のスピカ~ (JUMP jBOOKS) [ 赤坂 アカ ]

024


ヌエの碑 [ 京極 夏彦 ]

025


お帰り キネマの神様 (文春文庫) [ 原田 マハ ]

026


わたしたちに翼はいらない [ 寺地 はるな ]

027


世界の取扱説明書 理解する、予測する、行動する、保護する [ ジャック・アタリ ]

028


本当に忙しい人のための時間創出術 [ 片岡京平 ]

029


目標や夢が達成できる!1年・1ヵ月・1週間・1日の時間術 [ 吉武 麻子 ]

030


生きるとはどういうことか (単行本) [ 養老 孟司 ]

031


7年で資産4000万円を達成した アラサー夫婦のゆる早セミリタイア [ 沖縄移住アラサー夫婦 ]

032


ヒトの幸福とはなにか (単行本) [ 養老 孟司 ]

ふりかえり

ひさしぶりの京極レンガ本『鵺の碑』を読んで、百鬼夜行シリーズ再燃。 老後の楽しみに第1巻からの再読は置いておくとして、いやもう榎さん最高じゃない?! 関くん可愛すぎない?! 勢い余ってSpotifyでプレイリスト作りました。 個人的に「One Last Kiss」がとっても榎関です。 二次創作したいよう!!! 榎関で京関な小説が読みたい。

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